735. ロジャー・フェデラー選手全仏の教え
 2009年フレンチオープンテニス男子シングル決勝で、世界を感動させる嬉しい結果が起こりました。ロジャー・フェデラー選手が全仏優勝を果たし、生涯グランドスラムを達成しました。同時代に偉業達成の瞬間に接することができた喜びを感じています。

 個人的に知る限りの男子テニス界を振り返っても、最強の選手はロジャー・フェデラー選手だと思います。全仏優勝した結果に改めて触れることは志しませんが、優勝した後のニュースで感動的なのがありました。それは2009年の全仏で優勝するために、連日五時間、五セットのフルセットを戦い抜く練習を行っていたというものです。毎日五時間の練習を、世界ランク元一位の史上最強と言われている選手が行っていたのです。何としてもクレーコートの全仏を制したいとの強い気迫が感じ取れるものです。
 世界最強と言われている選手が、全仏に備えて五時間に及ぶフルセットの練習を重ねていたのです。その結果、苦手とするクレーコートへの違和感が消え、自信を持ってこの大会に臨めたといいます。

 ここに学ぶべき姿があります。世界最強の選手の一日の練習量が五時間です。基礎トレーニングやウォーミングアップ、クールダウンなどを加えるとそれ以上の時間になるのは間違いありません。その凄さです。
 私達は何かに挑戦する場合、数えるほどの日、少しの時間、練習しただけで満足することがありますし、逆に才能がないと見切りをつけることがあります。その結果を得るためには余りにも少ない時間を費やしただけで結論を出してしまいます。しかしそれは誤りなのです。ある程度の結果を残したいのであれば、同じ練習の繰り返しや毎日練習することが絶対に必要です。

 通常、二〜三時間、練習をしただけで練習をした気持ちになりますが、技術を高めるためにはそんなものでは足りないのです。二〜三時間練習して他人と同じ程度、他人を超えたいと思ったら、それ以上の練習量を必要とします。まして一時間の練習を週に二〜三回繰り返しても上達することはありません。例えばゴルフの場合、基本動作を身に付けるために最初は毎日練習すべきだと聞きます。最低でも隔日練習しないと、直ぐに元に戻ってしまうそうです。三日練習を開けたら、一からやり直しだそうです。

 ある程度のレベルに達するには、他を圧倒するほどの練習量が必要です。今回の場合、世界一の選手(2009年6月現在の世界ランキングは二位です)が優勝するために五時間費やしたのですから、他の選手が叶わないのは当然のことです。ですから世界ランキング一位のラファエル・ナダル選手が四回戦で姿を消しても、優勝の価値は何も変わることはありません。

 圧倒的な練習量が勝ち抜くために必要なことです。世界一でもない、そしてその分野で一位でもない私達が秀でるためには、上達するために必要な練習量を毎日こなすことです。

 「ロジャー・フェデラー選手全仏の教え」と私は思っていますが、テニス史上歴代最高の選手の教えを大切に刻みたいものです。

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