648.この時間
・信じる心
 童子は疑いを知らないで信じる心を持っているのに大人になると、疑いの心で物事を見るようになってしまうことがあります。松本さんの子どもが幼い頃、近くにあった養鶏場で鶏の卵をいただいたそうです。ある日養鶏場のおばさんが「温めるとひよこが生まれるよ」と言ったそうです。自宅に戻って直ぐにコタツに入り、それから三日間卵を胸に抱えて温めていたそうです。この事例は、疑いのない素晴らしい行動だと思います。
 大人になってから、人の言うことを信じて本気で行動を起こすことはどれ程あるのでしょうか。大人になって失うものがありますが、「信じる心」もそのひとつかも知れません。

 でも人を信じることで何かが生まれることもあります。私達は信じることで次の行動に移せますが、疑っていると怖くて次の行動を起こすことはできません。不信感は行動につながりませんが、信じることが次の行動につながります。
 見えないものを信じることの大切さを信じられないのであれば、幼い頃の出来事を思い出すと良いのです。そこには何も疑わないで、一心に遊んでいた自分に出会う筈です。小さい頃の自分が信じて行動していたのですから、信じることをもう一度取り戻すことができる筈です。何故なら、大人になった自分は、あの頃よりも賢くなっているに違いないからです。

・この時間
 例えば、時間にしてわずか一時間の講演があったとします。そんな時間は人生の中の一時間ですから一瞬です。しかも初対面の人が大半で、講演会が終わった後に会うことのない人も大半だと思います。
 そう思うとたいした時間ではないと思えます。しかし、人と人とのご縁はそんなものではありません。人生における2008年11月27日の午後6時から7時までの松本さんのお話を聞くことのできる一時間は、たった一度きりのものです。後にも先にもありませんから、とても貴重な一時間なのです。

 そして三世の考え方を持って講演会に挑むと、心構えは違ったものになります。三世とは過去、現在、未来の三つの世界を指し、三つの世界はつながっていて何かの縁で結ばれていると言うものです。この一時間を大切にすることが未来に影響を与えてくれます。時間を大切にするとは、一時間の話の中で何か自分の糧になるものを掴もうとする気持ちを持つことです。今まで自分の中になかった考え方や価値観を持ち得たなら、それはこの一時間を大切にしたことになり、未来の自分の考え方と行動に変化をもたらしてくれます。

 過去も同じです。過去の出来事は変えることはできませんが、自分の考え方が変わることでその出来事の意味は違ったものになります。過去のある時点に不幸な出来事かあったとして、それを後悔して一歩を踏み出せなった人が、不幸な出来事を克服したことに対して自信を持つことで、その出来事があつたから今があると思えるようになります。出来事の意味を変えたら今も、これから先も変わっていくのです。
 この時間は一瞬かも知れませんが、三世と関わっていると思うと真剣味と心構えは違ってきます。

・反省
 反省とは自分の姿を鏡に映しだすようにして見ることを言います。結果を以ってあれこれ言うことが反省ではありません。現実のものとなった結果は他人責任ではなくて全て自分にあるのです。ですから反省とは自分の姿を見つめ直す行為なのです。
 そして鏡に映した自分に悩むことがあった場合、そこから前に一歩踏み出すことが大切です。反省して一歩踏み出すことが結果から学ぶことになります。

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