平成20年5月8日に入院して抗がん治療を継続していたTさんが今夜、自宅に戻りました。治療の第一クールを終えたので次の第二クールまでの間、自宅に戻ることを許可されたのです。抗がん治療を行うと白血球の数が減少する場合があるので、その場合、帰宅は無理なのですが、Tさんの場合は血液検査の結果、正常な範囲内の数値を示したので帰宅することができたのです。
退院できたことで声に張りを感じました。入院前は頭痛やけだるさなどから顔色が冴えなかったのですが、抗がん治療続けた結果、頭痛とけだるさが消えたので、体力的にも精神的にも随分と楽になったと言います。抗がん治療の効果が見られていることで少しだけ安心しました。
しかしあくまでも第一クールを終えたばかりで、効果があったかどうかの検証はこれからですし、第一クールの効果が薄れてくる頃には痛みが再び襲ってくるかも知れないのです。治療は体力的な問題もありますが、不安感との闘いという精神的な不安定さがあります。病院のベッドでいるよりも自宅の方が安らぎますから、次の検査日である6月17日まで精神的にもゆったりと過ごして欲しいと願っています。
ところで第一クールを終えて今後の治療方針について伺いました。抗がん治療の効果があり癌細胞小さくなっていたり、現状維持であれば、第二クールの治療に移ることになります。ところが癌細胞の大きさが変わらなかった場合には抗がん治療の効果がないので、抗がん治療を継続しても効果がないと判断されるそうです。その場合は次に行うべき治療法がないという場合も想定されています。
「その場合はどうするのですか」と聞くと、「抗がん治療を継続しても効果がないので、治療で苦しむよりも、苦しまない方法を選択した方が良い」との回答でした。
「その場合は治療法がないと言うことですか。それは絶対にないと思います。確実に治ると確信していますから大丈夫ですよ」と話しました。
勿論、Tさんも治ると確信しています。私もTさんが完治して一緒に仕事をする日を、今から楽しみにしています。早速Tさんは、今週末には仕事の相手先のへの挨拶を行う予定です。内心、「余り無理をしないで欲しい」と思っていますが、気を紛らすためにも、元気を取り戻すためにも、外に出る方が良いかも知れません。治った後のことを考えて、今取るべき行動をすべきことは何よりも大切です。
実はもうひとつ心配なことがあります。左目が塞がっていますから自動車の運転が大丈夫かという問題です。本人は「大丈夫」と言いますが、左方向の死角や左折時の安全確認の不安を感じます。安全第一で行動して欲しいと願っています。
とにかく一旦退院しました。暫く自宅で療養して、第二クールに入る6月17日からの厳しい闘いに備えて下さい。今日も会社の同僚や同期入社の仲間と話し合いました。みんながTさんの復帰を信じていますし、心の底から声援を送っています。
「とにかく頑張れ」。治療行為に関しては何もできませんが、声援は一日も忘れないで送り続けています。もう一度言います。「絶対に大丈夫。頑張れ」。世の中には困難に打ち勝つ「絶対」があると信じています。
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