平成20年4月1日は、和歌山市にとって記念すべき一日となりました。全国で47番目になりますが和歌山市に民間のFM局が開局したことによって、県庁所在地で民間FMがない地域がなくなったのです。つまり和歌山市が全国最後発で民間のFM事業がスタートしたのです。
和歌山市が全国の県庁所在地並みの地域になったことは歓迎すべきことです。後は地域として支援する体制を整える必要があります。事業者だけに任せていては地域の力になりませんから、やっと誕生した地域のFMを私達で育てたと言える位の活動を行いたいと考えています。過去に和歌山県内で幾つか、FM局開局の計画が浮かんでは消え去りました。平成20年の春、ようやくFM局が開局できたことは自然の感情として嬉しいことです。
和歌山市出身の芸能人のある方は、「私が芸能界を志した21年前には地元のメディアに登場する機会はありませんでした。和歌山県にいると若い人たちが全国に飛び出す機会は殆どなかったのです。
エフエムわかやまの誕生は、若い人たちの可能性を引き出すことにつながります。私も21年前に遡れるなら、今と違った姿で芸能界に入れたと思います。もし許されるのであれば21年前に和歌山市にFM局があって欲しかったと思います」と話してくれました。
正にその通りだと思います。地域にFM局があることの幸せと可能性を実感しています。地域の可能性は無限であることを示してくれていますし、24時間音楽がクリアに流れている環境は自分達ではどうしようもないことです。それを実現してくれたエフエムわかやまの理事の皆さん、取り分け山口理事長には地域のひとりとして感謝するばかりです。「よくぞここまで取り組んでくれました」と感謝の気持ちで溢れています。
バナナエフエム。近い将来、このFM局が和歌山市の音楽シーンを支えてくれる予感がしています。エフエムわかやまを支えている皆さんと、ラジオを愛している52人のパーソナリティーの個性がそれを感じさせてくれます。
和歌山市にFM局を立ち上げたいと思ってからの1年余り。ここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでしたし、これからも困難が待ち受けていると思います。しかし困難に打ち勝って立ち上がったFM局ですから、和歌山市を変えてくれる力を持っていると思っています。
今も87.7MHzに周波数を合わせるとバナナエフエムからの放送が流れています。今までの和歌山市にはなかった、何とも贅沢な空間を演出してくれていますし、誇らしい気持ちに浸っています。
運営主体の山口理事長は小学生の頃から電波少年で、小学生の頃に自分で公共の電波を発信したいと思っていたそうです。子どもの頃の思いが、それから40年近くの時間が経過した後に実現したのです。和歌山市が夢の叶えられる地域であることに、限りない嬉しさを感じています。思い続けることとあきらめないことが思いを実現させてくれます。