544.夢をみる時
 和歌山市内北部にふじと台という大規模団地の開発が行われています。和歌山大学と隣り合わせた地域開発で文化の香りがする、ヨーロッパの風を感じるまちがテーマになっています。開発事業者の浅井建節会長に約3時間も時間をいただき意見交換を行いました。

 ぶじと台の最終形は約3万人が生活する都市開発を進めています。3万人というと県内だと御坊市に相当する人口規模ですから、ひとつの行政区ができる位の大きさとなります。また広さは東西2km、南北は1.8kmもあり、JR和歌山駅から和歌山県庁に至る和歌山市の中心市街地に匹敵する面積の開発です。

 公立の小学校は平成23年度に完成する計画があり、南海電鉄の和歌山大学新駅は平成23年度の末、つまり平成24年春に完成する計画となっています。着々と和歌山市の核となるまちづくりが進められています。
 また和歌山市の土地価格は下落傾向にあるものの、ふじと台の価値は上昇しています。販売開始当初は一坪17万円でしたが現在の価格は一坪27万円に上昇していて、資産価値は高まっています。

 そしてまちづくりのコンセプトは、親子で一緒に休日を楽しめることが特徴的です。つまり写生ができることや写真のシャッターチャンスが所々にあることです。まちの至る所にオブジェがあり最終的には100位を設置することを目指しています。つまり住んでいる空間自体が楽しい場所であり、旅行に行ったような感覚になれる場所なのです。この団地そのものをテーマパーク化させる計画で、ここで生活することの価値を生み出しているのです。シャッターを向けたくなる魅力的な場所があるところも、ふじと台の魅力になっています。このような大規模開発と細かなところに気配りをしている空間、そして資産価値形成を可能にしていることが人口増加の要因です。

 現在のところ約30%の人が県外から移り住んでいますから、和歌山市の人口の純増につながっているのです。和歌山市は約37万人の人口ですが年々減少をつづけています。もし、ふじと台がなければ人口減少はさらに拡大している筈ですから、ふじと台の地域への貢献度は多大なものがあります。

 そして完成した暁には固定資産税は約10億円となり、和歌山市の財政にも影響を与えることになります。他府県からの移転による人口増加、資産価値確保による固定資産税の増加、鉄道の駅の誘致とふじと台から市内や県外に向う道路整備など将来に向けた心あるまちづくりが進められています。

 地元の人が魅力を感じない場所に観光客が来てくれることは絶対にありません。ふじと台は最終的に住宅地であり観光客が訪れても楽しい生活空間を目指しています。そのため住んでいる人が楽しいまちの形成に努めています。浅井会長は以前から思い描いている夢を現実のものにしています。描かれた夢は現実のものになっていますし、将来のあるべき姿も微修正はあるでしょうが思いの中では完成していますから、この計画は夢が原動力になっているように感じています。

 人は寝ている間に夢を見るのではないのです。起きている時間が夢を見ている時間なのです。生きて活動すること自体が素晴らしい経験を重ねていることですから、生きていることを楽しめることが夢を見ることなのです。
 夢を見るのは起きている時間だと思うと楽しくなります。だれでも夢を見ることは楽しい出来事ですから・・。

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