桜の季節では入試の季節が過ぎ、早くも、もう来年に向かって動き出しています。今年の和歌山県内の中学受験の結果を見た感想の意見を伺いました。
中学入試に関してですが、小学校六年生の頃は女子の成長が速いため、中学入試は女子が有利に働くのではないでしょうかと言うものです。確かに、女子の合格者が男子を上回っている中学校があります。一般的に共学の場合、受験結果を見て成績上位から合格者を決定しますから性別は関係ありません。性別で平均化を図ろうとしたら、募集定員で女子30人、男子30人などの枠を予め設けておく必要がありますが、受験生の保護者から同意が得られるかどうかは分かりません。
また和歌山大学観光学部でも女生徒の合格者が多かったのではないでしょうか。たたその断面での成長度合いは人によって違いますから、入試に関してはどこかの断面で日程を切らざるを得ません。和歌山県内の受験結果を前向きに捉えるなら、女生徒の方が自分の将来なりたいことを明確に思い描いていると考えるべきです。
地方都市には女性が憧れる具体的な職業が溢れています。各種(カラー・ウェブ・インテリア・服飾・ネイルなど)のデザイナー、美容師、パティシエ、パソコンインストラクター、介護士など、女性の活躍する場はたくさんあり、身近な所に目指すべき存在があるのです。夢を具体化できたら実現に向かうのは早いのです。
自分がなりたいものを心に描くことで、今の段階で何に取り組むべきか分かりますし、その断面で結果を積み重ねて行くと結果が得られるのです。
それに反して、地方にいる男子生徒は様々な職業の人と接する機会は少ないですし、現役の大学生に会う機会も少ないことから具体的に何になりたいかなどの目標を描けていないかも知れません。憧れの職業としてのサッカー選手や野球選手、パイロット、研究者などの職業に就いている人は地方には殆どいません。ですから夢を具体化することができないのです。様々な職業を地方に持ってくることが子どもの将来に良い影響を与えることは確実です。
ただ受験が全てではないということです。中学受験に合格したから幸せが約束されているものではありませんし、不合格だから将来が閉だされる訳ではありません。要は結果を受け入れて、与えられた舞台で最高の自分を発揮しようと取り組むことが大事なのです。
そう思うと、成長段階の入口にいる中学受験のあり方を必要以上に論議しても正解はありませんから、それよりも全体的に中学校の環境を整えることが大切な気もします。子どもが大学を卒業した保護者は、「振り返ると、あの時代はどんな結果であっても関係ないことが分かります。むしろ中学時代は遊んだり家族で出掛けたりした方が良かったと思えます」と話してくれました。
当事者には分かりませんが、過ぎてしまうとその結果を受け入れる他なく、良いと思ったことがそうではなくて、しまったと思ったことがその後、良い結果につながっていることもあります。一度や二度の躓きや失敗は、その後にそれ程大きな影響を及ぼさないものです。受験の成功はそれを糧として、受験の失敗はそれをバネとして、その後に立ち向かえば良いのです。
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