520.変わらない春
 冬は入試の季節です。厳しい冬を耐えて勝利した生徒が嬉しい春を迎えることになります。入試で合格点を取るためには、模擬試験で合格ラインに届く点数を一度でも取っておくことが絶対条件です。模擬試験で一度も合格ラインを超えたことがないまま入試に挑むと、果てしなく厳しい結果となりそうです。
 入試と模擬試験は違いますが、不思議なことに大体は良く似た順位になるのです。模擬試験でトップクラスの生徒は入試でもトップクラスですし、模擬試験で中位の生徒は入試でも中位となります。模擬試験で下位に低迷しているようなら、入試でも同じ結果となるのです。

 入試で逆転する場合もありますから、何も順位が不動のものだから努力をしなくても良いと言いたいのではありません。ただ日頃から入試に対応出来るだけの力をつけておかないと本番ではキツイのです。一度でも壁を越えておく経験は何よりも大切で自信になります。入試と言う高い壁を超すことは簡単ではありませんから、模擬試験で壁を越えられる自信と手応えを得ておきたいところです。

 「やれば出来るのに」は、やらないことと同じです。「やっておけば良かった」は、やらなかったことを意味しています。そして「あと少しだったのに」は、そのあと少しを縮める挑戦をしなかったことなのです。
 結果を見てから後から理由付けをするのは簡単なことです。結果が出る前に、望む結果を出すための努力が大切なのです。後から言い訳をするのか、先に努力をしておくのか。精神的な厳しさはそう変わりませんから、先の努力を怠らないようにしたいものです。

 最もやってはならない事例は、入試に失敗したことを自分の実力のなさだと認めないで塾が悪かったからだと考えることです。「塾の指導が悪かったから」、「合格人数の塾に行っておけば合格出来たのに」などと思って、レベルの高い塾に行くことで自分の悪さを打ち消そうとすることがあります。今の塾の授業に着いて行くのがやっとであれば、仮に成績を上げるために今よりもレベルの高い塾に行ったとしても、低空飛行が関の山です。余計に事業に着いていけないので、成績が下がる危険性すらあるのです。

 結果責任は全て自分が負うべきで、塾の指導や入学試験の難易度は関係ありません。負けを認めたくない気持ちは分かりますが、負けを認めてこそ反骨心が芽生えて次の合格があるのです。不合格だったのは塾が悪かったからで、塾を変えたら合格出来ると考えても自分は何も変わりませんから得られる結果も変わらないのです。
 和歌山県立中学校の入試結果が発表されました。12歳の子ども達にとっては試練ですが、挫折を感じることなく、次の高校受験に向けて再スタートを切って欲しいと願うばかりです。努力と言う桜が咲く春はもうそこまでやって来ています。12歳でも15歳でも、変わらない春がやって来ますから心配することはありません。

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