中学受験や高校受験のピークが過ぎました。受験した生徒の皆さんには大変お疲れ様でしたと言いたいところです。受験生の皆さんには、合格しても不合格であっても長い人生においては誤差程度のもので、人生を左右するものではないと伝えたいのです。社会人としての考え方と行動によっては、どれだけでも取り返しがつきますから、気にしないで欲しいところです。
さて受験生を見ていて感じたことがあります。受験においては運不運がつきものだと言われますが、決してそうではないと言うことです。受験生の多くは、受験本番前に全国統一模擬テストを受けています。その成績は本番のテストと関係がないと言うことがありますがそれは間違いです。模擬テストで何度か続けて合格圏内の点数を取っておかないと、本番のテストで合格点を取ることは出来ません。模擬テストで下位に低迷しているのに、本番のテストで合格点を叩き出すことは困難なことです。続けて合格点を取ることが受験に合格するために必要なことだと確信しています。
これは受験だけの教訓ではありません。プレゼンテーションや取り引きの機会をモノにすること、スポーツでも同じことです。
それを確信させてくれるようなタイガー・ウッズの新聞記事がありました。(平成20年2月6日、朝日新聞夕刊)
要約して紹介します。
タイガー・ウッズは「ジュニアならジュニア、アマチュアならアマチュアの世界で、まず勝ち方を覚えるべきだ。プロ転向はそれからだ」と話しています。その背景は、「次なるウッズ候補とうたわれたタイ・トライオンは今では草の根のミニツアーで苦戦中。15歳でプロ転向したミシェル・ウィーは心身ともに疲労して、すっかり低迷中。16歳でプロ転向したタッド・フジカワは、プロ転向した途端、ただの一度も予選通過が果たせず、スポンサー推薦を待つ身になっている」ことがあります。王者に昇り詰めるプレーヤーと不調に陥るプレーヤーの違いについてタイガー・ウッズは、上記のような理由を考えているのです。
事実タイガー・ウッズは「全米ジュニア三連覇、全米アマチュア三連覇を成し遂げてからプロ転向した。自身の言葉通り、それぞれの世界で勝ち方を覚え、さらに継続して勝つという揺るぎなさを見せつけ」ているのです。
日本人として16歳でプロ転向した石川遼選手がアメリカのメディアで取り上げられない理由は「アマチュア時代の勝利数と勝利の継続性の両方の不足」にあると在米ゴルフジャーナリストは評価しています。「まずは続けて2、3回、勝ってごらん」との意見が書かれています。
一発勝負で勝つことはあったとしても、続けて勝つためには、自分の置かれたレベルで数回勝つこと、模擬テストで続けて合格点を取ること、模擬テストで続けて上位にランクされること、そして続けてプレゼンテーションを成功させることなどが絶対的に必要なのです。
まず自分の置かれたレベルで続けて成功させる。そして次のレベルに進むことが継続して勝ち続ける秘訣です。自分の実力を過信して先を急いでも結果は残せないように、人生の段階において一足飛びはありません。与えられたステージで継続して結果を残すことが先決で、そうすれば自ずと次のステージが用意されることになります。基礎を築くには継続して結果を残すことが必要なのです。
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