サンタクロースの衣装でクリスマスソングを中心に演奏会を行いました。とある祉施設のクリスマスパーティは、入居者のご家族も招待して皆さんと一緒に楽しい時間を過ごすことが特徴です。毎年クリスマスパーティにはご家族と子ども達、世代を超えた人が集います。それぞれ事情があるので福祉施設に預かってもらっているのですが、やはり家族と過ごすのが自然なのです。
ここでも手拍子が起こり、そして知っている歌では入居者の方も一緒に歌ってくれました。施設にお聞きすると、普段からカラオケで鍛えているので歌は上手なのだそうです。昨年も来たのですが、生演奏を聴きたいと要望があり今年もお邪魔したものです。
歌は世代に共通したものです。その世代の歌は、長年離れていたとしても演奏が始まると歌えるから不思議です。昔の歌は歌詞がシンプルで、長い時を超えて再び聴くと、当時分からなかった意味が分かることがあります。それに気付く時は、自分も社会経験を積み、そして年齢を重ねて来たことに気付きます。足跡の数と共に作者が歌に込めた意味も理解出来るようになるのです。歌は私達に夢と希望を与えてくれる歌詞を持っています。演奏が終わる頃、私達は作者や歌手から希望を受け取っています。
しかしそれに気付いた今(とき)、決して再び、その時代に戻れないことを知ることになります。時代に、そして年代に張り付いた歌があるのです。
思い出は歌と共に時々現われて、今の自分をいつも励ましてくれます。そして決して戻れないのだから、今までもそうだったように前に歩く勇気を与えてくれるのです。将来は夜明け前に似ています。これから広がる光景はまだ見えませんが、確実に自分の前に存在しています。昨日まで積み重ねてきたものが夜の内に形になって出現する時を待っているのです。そして夜が明ける頃、未来は今日という日にその姿を変えて現われてくれるのです。現われた今日は、自分が希望した通りにやって来ます。そして今日希望したことは、明日が今日に姿を変える時に現われてくれます。このように希望は永遠に続くのです。
ここで問題がひとつあります。「時よ情熱の火を消さないで」という歌の歌詞にもありますが、時は情熱を燃え上がらせる役割と同時に、情熱を冷ます役割も担っています。
希望に向かう情熱持ち続けることで明日は今日に変わりますが、情熱が消されそうになる頃、希望も消えそうになります。希望が消えた日のことを今日とは呼べないのです。
今日を生きるとは、希望を持って生きていることに他なりません。希望を持った人だけが今日を生きているのです。今日を生きている私達は、誰一人の例外もなく、必ず希望を叶えてくれる明日に向かっているのです。
繰り返しますが、希望は夜の暗闇の中に潜んでいて、姿を現すための今日を待っているのです。今日を迎えることが、即ち希望を実現させているのです。何故なら、考えて行動して昨日実現出来なかったことが今日、実現出来るからです。
華やいだクリスマス、そして一年の終わりには、これから叶えられるべき希望が溢れています。
|