毎春繰り返される入学式の風景。小学校の入学式は親子が揃って始めて学校の校門をくぐる記念すべき日となります。尤も、親はこの日のことを覚えていても子どもの記憶にはないことがありますが・・・。
さてある小学校の入学式で校長先生から新入生に向けて、三つのお祝いの言葉を贈りました。
ひとつ。挨拶をしましょう。
挨拶は人間関係を円滑にする最初で最大の手段です。いつもの朝、顔を合わせた人に対して「おはようございます」の挨拶をするのは当然のことです。毎日会っている人でも、その日最初に会った時には挨拶を交わします。それが自然で、何故か挨拶を交わさなかった日は一日中気になります。
挨拶から一日が始まる。そして会った全ての人と挨拶をすることが、その日を気分良く過ごさせてくれます。試しに、朝会った時に「おはよう」を言わないで仕事のテーブルに着いてみて下さい。たった一言交わさなかったばかりに、その場はおかしな雰囲気になります。
挨拶を交わすのが人間関係を築く基本となります。
ふたつ。人の話は聞きましょう。
小さい頃よりも、知識と経験を得た大人になると自分中心の考え方に支配されていきます。相手の話を十分聞かないで、話の途中であっても自分の意見と異なる場合は話を遮って反論することがあります。その上丁寧なことに、相手を否定した後は自分の考え方が如何に正しいかを演説してくれる人もいます。
同じ事象を捉えても人の考え方は色々です。相手の意見をおかしいからと打ち消しても、自分の意見だけが正しいことはありません。相手の話を十分聞いて相手を包み込むような懐が欲しいところです。
人の話を聞いてあげること。これも人信頼関係を構築するために重要なことです。
みっつ。本を読みましょう。
学生時代の国語科目は本を読む人に敵いません。成績のためではなく、知らないことを知るためにも、自分が体験する以外の世界を知るためにも、考え方を深めるためにも、読書は大切です。小学校時代に読書の習慣を身につけておきたいものです。社会に出ると、本から専門分野以外の知識を得ることが出来ますし、優れた人や歴史上の人物の考え方を知ることが出来ます。
小学校の最初に贈られる言葉。きっと私の小学校入学式でも同じような言葉をいただいていた筈です。この三つは社会性を大切にする人間にとっては普遍的なものですから、今も昔も、そして将来も変わらないものです。
挨拶をすること。人の話を聞くこと。本を読むこと。大人になると誰からも言われないので忘れてしまいそうな事柄ですが、子どもだけが気をつけるものではなく、大人も心掛けておくべき教訓でもあります。
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