新しく発足した和歌山県企業立地局では県内への企業誘致を進めています。各種条件がありますが、製造業が和歌山県に進出してくれると最大100億円の支援を行う制度が平成18年度からスタートしています。支援としては全国でもトップクラスですから首都圏を初めとする地域から問い合わせが来ています。今後は問い合わせのあった企業への誘致活動が必要となりますが、何社かでも和歌山に進出してくれることが期待出来そうです。
熊野健康村構想を展開している地域振興課では世界遺産推進担当の班が新設されています。メンバーは精鋭揃いで和歌山県の財産を活かそうとする県の強い意思が感じられます。健康チェックを組み込んだ熊野ウォークや薬草ウォークなど健康に関する要素を組み込んだ熊野ウォークなど熊野の価値を活かした新企画をここから発信しています。
ブランド推進を展開している課では、首都圏のスーパーや百貨店を中心に民間事業者と協調して和歌山県産品の売込みを図っています。和歌山県の産品を売り出すとともに、和歌山市を活性化するための施策の必要性を感じてくれています。
和歌山市の観光や他地域との交流における特徴は日帰り客が多いことです。大阪圏からは公共交通や自動車を利用すると1時間から2時間の距離にあるため、十分日帰り出来るからです。大阪圏から和歌山市は移動時間距離が短いため通勤などには便利なのですが、観光となると日帰りになる側面を持っています。そのため和歌山市に来てもらったお客さんに宿泊してもらう対策が重要となっています。
過去に実施した施策には、七夕の時期、和歌山市の飲食街のひとつ柳通りに笹を並べておいて、職員さんが街行く人に短冊を配り、願い事を書いて掛けてもらったことがあります。竹の切り出しから道路沿いに並べるなどの作業は職員さん達で行ったため実施費用は限りなくゼロに近いので、やろうと思ったら直ぐにでも出来る施策です。最初から定着出来ませんが、何年か続けると七夕のイベントに育つかも知れません。
七夕祭りではありませんが、平成18年は和歌浦ベイマラソン・ウイズ・ジャズの前夜祭としてジャズストリートを開催することを計画しているので発想は良く似ています。地域活性化を目的とする集客・交流は宿泊なくして有り得ません。
また貴志川線が存続したことにより、JR和歌山駅に隣接する商店街の美園商店街の活性化も重要な課題となっています。高齢化が進展している状況とJR和歌山駅に近いことから、東京の巣鴨商店街をモデルとした高齢者向けの商店街として再生出来ないか相談がありました。何もしないよりも成功モデルを真似てみることから始めることも手段です。
更に、和歌山県には熊野があり、ここには各企業や組合が企業の森、ふるさとの森、ふれあいの森などの名称で熊野の森林を民間が守り育てています。このように社会的責任の意識が強い企業には和歌山に進出してもらって共存出来たら、和歌山市は自然保護と企業活動を両立させている県となります。このような企業誘致活動も力を入れたいと思っています。和歌山市もこれらの課題に挑戦したいものです。
とにかく感じたことは、ハードルの高い課題に挑戦している課や班は活気溢れていることです。構成員も変わっていることもありますが、従来とは異なる課題に挑戦し結果が見える仕事は遣り甲斐があります。
挑戦する意欲を感じる空気は良い意味で周囲に伝染しますから、これからの和歌山に期待して下さい。