桜によってまちの雰囲気が明るくなると人の気持ちも明るくなるから不思議です。つくづく人は環境に影響される存在であることに気づかされます。ですから気持ちが沈んだ時ほど、活力溢れた人達の所に出向くのが適しています。
さて春を感じるのが京都の祇園の都をどりです。春を感じるために祇園へツアーを行いました。ここに東京で活動中のシンガー
佐野安佳里さんも参加してくれました。佐野さんは平成18年3月末に東京で初ライブを行ったばかりで、その時の映像を紹介してくれました。聴かせてくれた歌は5曲。世界文化遺産の熊野を歩くなど現地でイメージを描き、半年かけて作成した「祈り」は東京でも評価されている曲で、聴く人を熊野へと誘います。「祈り」が和歌山県のイメージを高めることに一役買ってくれているようです。
アップテンポの「太陽」は、昨年活動の拠点を和歌山市から東京に移すために和歌山市にある和歌の浦アートキューブでラストライブをする前日に作った曲で、沈まない太陽のように私達の明日を感じさせる歌詞になっています。
東京に行ってからもうすぐ一年になりますが、確実に階段を登っている様子が伺えました。佐野さんは16歳で音楽活動を初めて以来6年、好きな道なので自分を信じて進んでいます。今までに作詞作曲した曲は約50曲で、その中から選曲したものをCD化する計画もあります。和歌山市で撮影中の映画のエンディングの一部にも佐野さんの曲が使われる予定もあり、全国レベルでの活動の第一歩になる年になるかも知れません。
京都は円山公園に到着し、幕末の英雄坂本竜馬と中岡慎太郎の像を見ることが出来ました。二人が目指した未来を今の私達は生きています。幕末を駆け抜けた若い二人が託した日本の未来は今現実のものになっていますが、彼らが描いた理想の未来を私達はしっかりと生きているのでしょうか。明治維新から未来に真っ直ぐに伸びている道筋を更に先に伸ばしていくのが受け継いだ者の使命です。
さて佐野さんのお姉さんは祇園の廣島屋に所属する小愛さんです。この廣島屋を通り小愛さんも登場する都をどりの会場、祇園甲部歌練場へ向かいました。都をどりは京都の春夏秋冬を表現した華やかな踊りで今年が134回目、今も日本人女性に受け継がれている歴史を感じられる舞台です。
歴史を受け継いでいる芸子になるには資格はなく、厳しい修行に耐えてきた人だけが残れるのです。伝統や文化を身につけるのは並大抵なものではありませんが、若い女性達が短期間(と言っても長いのですが)でそれらの伝統をまとい舞台に立っていることが祇園という地域の底力です。絶対に他では真似の出来ないもの、それがあるからお金を支払ってでも全国から人は集まってくるのです。
日本人が日本を感じることの出来る伝統文化、これも未来に継続させるべきものです。