「ひとつの細胞を動かすためには質量の9倍のエネルギーが必要である」とする仮説があります。私達が何かを決心した時、決心したエネルギーは神経を伝わるエネルギーになり、通常の神経伝達の9倍のエネルギーに到達した時点で行動を起こすようになると言うものです。
人は何かに取り組もうとする思いが強くなると行動を起こし始めます。どの時点で思いが行動に変化するのか分かりませんが、沸点のようなものを超えた瞬間に行動を開始しているように思います。この沸点を超えるのが通常の思いよりも9倍の強い思いに到達した時だと考えると自分でも分かりやすいものです。
普段の生活と同じ思いを持つだけだったら、当然ながら通常と同じレベルのエネルギー量となります。
今のレベルから脱して、資格試験に合格したいなぁ、テストで良い成績を取りたいなぁと瞬間的に思う程度では通常の2倍〜3倍程度の思いに過ぎないのでしょう。
点数を80点以上目指すと具体化させた段階では4倍〜5倍程度の思い。
点数ではなくその行動の結果どんな自分になっているのか、描けた段階で6倍〜7倍程度になり強い思いとなります。
でも通常の9倍のエネルギーにするためにはまだ足りません。単発的な思いだけでは通常の9倍までに至らないような気がします。エネルギーが沸点を越えるためには、強い思いを継続して持ち続ける必要があります。お湯を温め続けるように継続して強い思いを持ち続けることが、やがて水を沸騰させてくれます。
瞬間的に強い思いを心に描くことは誰でも出来ますが、継続して思いを持ち続けるためには強いエネルギーが必要です。継続は力なり、最初と同じ思いを持ち続けられることで思いが沸点に達し、行動を変化させることが可能となります。
人は具体的数値を目標として掲げることで我慢したり頑張れることが出来ます。身近な例では、あと何分赤信号を待ったら信号が青に変わるのか、時間を知らせてくれるだけでイライラしなくなります。待ち時間が表示されないと待ち時間が長いと感じてしまいます。
作業をするにおいても、何時までその作業に取り組むのか分かっていると頑張り通せますが、エンドが分からないと緊張は継続しません。
少し変な事例ですが、犯罪行為があり留置された場合、精神的に参ってしまうと聞いたことがあります。それは何時まで留置されるのか期限が分からないため頑張り通せないからです。期限が定められているのと無期限なのとでは精神的負担が全く違います。
行動を開始する動機付けは通常の100倍も強い思いが必要だとか、どれだけエネルギーを費やしたら良いのか全く分からないのでは、思いを継続することは難しいのです。行動を起こすための目安として通常の自分が持つエネルギーの9倍まで高めることが出来たら、頭で考えなくても自然に思った方向で行動を開始することが分かっていると、何か安心感が出てきます。
1対9の仮説。信じる、信じないはそれぞれの自由ですが、自分の決心を普段の9倍に高めようとする気持ちを持つだけでも目標を明確化出来ますから、思いを行動に変えるエネルギーは高まります。
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