275.黄金の季節
 ビッグ50「Big Fifty」おめでとう。社会で頑張り続けて50歳に到達すると、若い頃から夢に描いていた自分の好きなことが出来る時間とお金が出来ていることから言われている言葉です。人生には豊かな50歳代が待っている筈なのに、一部では社会の中核から外れていく年代の象徴のように見られることもあります。
 企業や役所に勤めている団塊の世代が一斉に定年退職するのが2007年。一斉に発生する退職金やシルバー市場、知的財産の流出などが問題視されています。これまでの日本を背負ってくれていた方々に対して、負の側面から2007年問題が扱われている傾向も見受けられます。
 しかし50歳からの人生設計を提案する紙面が和歌山市で誕生しています。読者層は50歳から60歳代に限定し、特集や人物も50歳を活き活きと生きている方々を取り上げています。媒体名は「let」(レット)、月刊で刊行しています。

「let」の調査よるとシニア層の意識としては次の項目が挙げられています。
1.時間消費。人生の残りの時間を充実させたい。
2.循環型人生。若い時に成し得なかったことを第二も人生で達成したい。
3.本物志向。消費経験が豊かなことから、自らの価値観で本物を入手したい。
4.横型コミュニケーション。地域に貢献したい。
5.安心志向。経済的不安と健康への不安を解消したい。
6.縁重視。出会いを大切にしたい。
7.人生逆算。残りの人生、最後まで若々しく元気で暮らしたい。
 以上の7項目が指摘されていて、この要望に応える編集内容となっています。

 併せて、50歳以上の方へのサービス提供を目指して、企業交流研究会「和歌山ゴールド倶楽部」も設立されています。ビッグ50の方々へのサービスや商品の情報を発信するとこで、和歌山市と周辺に暮らす方々が豊かな人生を過ごせるお手伝いをしようとするものです。
 和歌山市における50歳以上の人口比率は国勢調査によると平成12年では41.6%だったものが、平成22年には46.6%になると推定されています。(国立社会保障・人口問題研究所推計)その後、5年ごとに2%ずつ上昇すると予想されているように、全国でも高齢化率が高い和歌山県にとって、ここで暮らす50歳からの方達が人生を満足してもらえる環境をつくることが重要な問題となっています。

 誰にでも訪れる夢が実現可能なビッグ50の季節。但し、50歳と言ってもそれまでの人生の延長戦上にある訳ですから、突然バラ色が拡がるものではありません。壁があっても谷があっても、少しずつ前にある階段を登ってきた人が獲得出来る黄金の季節ではないでしょうか。それを支えてくれために和歌山市に芽生えた情報誌と舞台。世代を超えた経験の引継ぎ体制を整える動きがあります。

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