139.まちの歴史
 仙台市のコンベンション誘致の取り組みで羨ましい点があります。それは仙台市に積み重なったまちの歴史です。
 主なものを拾ってみると、
昭和52年 新仙台駅開業
昭和57年 東北新幹線開業
昭和59年 第一回民間ユネスコ運動世界大会開催
昭和60年 伊達政宗公350年祭第一回青葉まつり開催
昭和61年 第一回光のページェント開催
昭和62年 NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」放送
昭和62年 仙台コンベンションビューロー設立、市営地下鉄南北線開通、
87未来の東北博覧会開幕、平成元年仙台市が政令指定都市に移行
平成2年 東北初となる国際定期便の仙台市とソウル国際定期便就航
平成3年 第一回仙台ハーフマラソン大会開催
平成4年 仙台空港2,500m滑走路供用開始
平成5年 NHK大河ドラマ「炎立つ」放送開始
平成6年 仙台市の国際会議観光都市運輸省全国42都市認定
平成7年 みやぎ交流センターのオープン、宮城県総合運動公園総合プールオープン
平成8年 仙台空港新国際線ターミナル供用開始、仙台港高砂コンテナターミナル完成
平成9年 県立宮城大学開校、国際ゆめ交流博覧会の開幕
平成10年 仙台空港3,000m滑走路竣工
などです。他にもサッカーJリーグベガルタ仙台設立、プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルズ設立など、大きな変化もあります。

 コンベンションに関係する動きを追っただけでも、まちとして活きている、充実している様子が伺えます。ある年にこれがあったと記憶に残る出来事があることは幸せなことです。イベントは一過性だと言われていますが、それでもまちの出来事として積み重なるものです。何もないまちよりは絶対的にましです。
 動きのあるまちが活性化しているのは当然ですし、新しい歴史が刻まれていきます。和歌山市の近年の出来事は直ぐに思い出せません。世界リゾート博の開催、NHK大河ドラマ「吉宗」、芸術家のための施設、和歌の浦アートキューブ設立が浮かぶ程度ですから寂しいものです。
 毎年のように動きがある仙台市が発展するのは当然ですし、楽天がプロ野球の新規参入のフランチャイズに選んだのも自然です。まちに動きがある、積み重なったコンベンションなどを受け入れる体制がある、市民が熱心である、おもてなしの気持ちがあるなど、プロスポーツを受け入れてくれる理由があります。
 東北初のプロ野球団楽天を歓迎するポスターやのぼりを、まちのあちらこちらで見かけました。プロ野球への期待と歓迎ムードが高まっています。県営仙台宮城球場は3月の竣工を目指して改修工事の最中でした。仙台駅の東口も活気付きますし、経済波及効果が約140億円ですから、最初市が投資をしても、全体としては他都市からお客さんが来てくれることで地元の民間が潤い得を取ることになります。地域として何かを受け入れる熱意と気持ちを持ち、地方自治体が主体的に名乗りを挙げる、簡単な構図ですが地域活性化が成功するための方程式です。
 まちとしての目標を持って活動すれば、多少施設が不足しても、走りながら体制を整える必要があっても、目標と合致していれば何事にも立候補する姿勢が大切です。注目を浴びないと人もまちも頑張りません。熱意を持って挑戦する意欲が大切です。
 
 仙台市は21世紀型のビジターズ産業で地域の可能性を追求しています。仙台市は人もまち並みも元気な様子が伺えますし、サービス業の方は皆さん親切です。他から来た方をおもてなしする気持ちがサービス業の方には備わっているようです。昭和49年から民間から提言しているコンベンションシティの精神が今に受け継がれているようです。
 今、全国から最も注目されている仙台市は、それらのソフトを持っています。

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