「日本に未来があると思うか」このような質問がありました。一般的には「あります」と答えます。その次に「日本の690兆円という借金の額を考えると将来はないと思うけれど、君はどうのようにすれば借金を返せると思うのか聞かせて欲しい」と再質問がありました。
→歴史上、債務国が借金を返済した例はひとつもありません。でも日本国が抱えている多額の借金をなくす方法があります。借金をなくす方法はたったふたつです。
ひとつ目。借金を棒引き(デフォルト)すること。ロシアがソビエトになった時、ロシアが抱えていた借金は返済しないと宣言をしています。1980年代のメキシコやポーランドなどもデフォルトしています。
では日本も借金がなくすために、デフォルトすれば良いのではとなります。
答え、出来ません。歴史上、現代の日本のような先進国がデフォルトした例はありません。何故なら世界経済が混乱してしまうからです。
更にデフォルトするとIMF(国際通貨基金)の管理下におかれ、その国に対して緊縮財政を求めてきます。通貨発行が管理されIMFの指導の下、財政再建を図ることになります。
ふたつ目。インフレ政策です。第二次世界大戦の時、日本は戦時国債を発行し戦後のインフレで帳消しになっています。日本が現在の借金から逃げる方法はこのふたつです。
続いての質問「日本は債権国だから、その債権をもって借金を返済することが出来ると思うけれど如何ですか」
→日本は債権国ですが、民間が他国に対してお金を貸している状態であって、日本という国は債権を持っていません。主体が異なるため返済、または相殺は不可能です。
質問が続きます。「国が倒産するくらいだったら、国債の金利を帳消しして元金だけを返済する方法をとってはどうだろうか」
→二度と日本の国債は市場で流通しなくなります。日本の財政はたちまち破綻することになりますから現実的ではありません。
最後の質問です。「では財政問題を考えると日本の将来はないよね」
→借金の規模からすると返済不可能な金額です。ただ全額を直ぐに返済する必要性はありません。日本の経済規模を考えた時、日本国が倒産してしまった影響は他国が倒産した場合と比較しようもない程に大きいものです。多額の借金があるにも関わらず日本が世界から信頼があるのは、優れた人材がいるからです。知識創造産業や先端技術を生み出す人材がいることが日本の強みです。
未来を担う人材が次々と輩出される限り日本に未来はあります。
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