「議会には慣れましたか。」と良く聞かれます。「本会議の雰囲気には慣れました。でも一般質問で登壇する時は緊張感がありますね。」と答えます。この「緊張」とはどのような思いなのでしょうか。
人前で話をするのは誰でも緊張するものです。場慣れやその人の性格にも関係しますが、それよりも自分の意見が、受け入れられるのか分からないので不安になるのです。自分のオリジナルな主張の評価に対する不安なのです。世に出ていない自分オリジナルの主張をする場合、発言した内容は聴衆からの評価を受けます。少しでも良い評価をされたいと思うから緊張するのです。
台本とおりに読むだけだったり、既に評価の固まっている内容を発表する場合はそれ程緊張しません。既に評価が決まっているのだから、自分に対する否定的な評価を下されることはないからです。司会役も同じです。進行台本がありますから緊張度合いは低いのです。
聞いてくれる人が、知っている人ばかりなら緊張度は低くなります。それは、
自分の価値観やレベルを良く知ってくれているから、言葉や話す内容を飾る必要がないからです。通常ならプライドを傷つけられる程の厳しい評価を受けることはありません。だから知り合いの前では、比較的気楽なのです。
全く知らない人の前だと、どのような価値観を持つ人の集まりなのか分かりませんから、自分の意見が受け入れられるか緊張は高まります。
更に、聞いてくれる集団によっても緊張度は異なります。 例えば、大学教授の前で発表する場合、自分の発表内容に関して知識のある人達の前で発表する場合は緊張は高まります。でも自分が所属する会社の人達の前や、発表内容について知識のない人の前だったら、それほど緊張しません。
つまり緊張するのは、自分オリジナルの未発表のテーマを扱う場合で、自分の主張が評価されるか分からないこと、聞いてくれる人の知識レベルが高いこと、聴衆に知り合いがいない場であることが条件になります。そこで自分の主張の評価が分からない恐怖心から緊張するのです。
これを克服するためには、自分の主張に関して十分勉強し、聴衆を説得できる程の知識を持っておくこと、学者や専門家と議論できる程度に発表内容をまとめておくことが必要です。中途半端な知識や疑問点を持っての発表や、専門家と議論を経ていない内容を発言するのでは緊張は解けません。人前で話をする時の緊張を克服するためには、自分のレベルを上げることに尽きます。
市議会本会議で一般質問をする場合、それを聞いているのは市長や行政の専門家である当該部長、議員、市政に関心のある市民の皆さんです。思う以上に、緊張する場面での発言なのです。
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