インターネットビジネスの世界では、社名や企業の大きさは全く関係ありま
せん。むしろ、動きの俊敏な小さい会社の方が適しています。新しい知識や情報技術を導入するために、何段階も意思決定が必要な組織形態を持つ会社は、情報社会に関しては適していません。新しい技術は毎日のように出現しています。それを活用するかどうかを細かく検討しているうちに、もう時代遅れになっています。
加えて、現場最前線にいる人が一番、最先端のことを知っているのですが、伺い書や稟議制度を採用している会社では、それを上層部に伝えるために、何度も同じ説明を社内で繰り返さなくてはなりません。その説明に要する労力は大変なものです。
小さい企業では、実施する、しないの判断をトップが直ぐに下します。これが出来る理由は、トップがより現場に近いポジションにいること、外からの情報か直接入ってくるようなしくみを持っていることなどが挙げられます。
ビジネスの世界で優位性を保つには、意思決定のスピードに尽きます。必要な情報を把握することの難しさや大切さが分からない人が、意思決定の段階に存在している、あるいはリスクだけを考えて判断を下せない人がいると、もう発展はありません。
全ての計画が成功するわけではありません。いくつかの種子を蒔いておかないと、収穫することは出来ません。規模の小さい企業は可能性があればリスクに挑戦します。大きな組織は100%近い成功の可能性がないと取り組みません。
更に成果主義という名の下、当該年度内に結果を出した分だけが、成果として認められるようになっています。成果を出すために、結果が出やすい小さい成功を追い求めることに終始し、将来、大きな収穫を見込めるけれど成果があがるか分からない不安定なものには取り組まなくなります。
けれど、成果と言っても数値で表せない部分が重要です。経常利益などの数値は大切ですが、そこに至るプロセス系で積み上げる数値には余り意味はないのです。必要なものは、莫大な情報の中から必要なものを取捨選択する能力、それを活かすためのアイデアと人のジョイント、そして行動力です。
この流れの中に、自分のいるポジションがあることが重要視されるべきです。
個々の数値の達成度よりも、その人がいるかいないかが評価されるべきです。プロジェクトの役割を担える人こそが人材です。単に役職名があるだけではプロジェクトメンバーに名を連ねることは出来ません。これが現代の仕事人としての人の能力であり、社会は評価します。
小さな組織が情報化社会に適している理由はここにあります。
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