情報公開(Opening of information)、情報リテラシー(Information literacy)、情報技術革命【IT革命】(Information technology revolution)など、情報に関する言葉が聞かれます。組織の資源は、人、もの、金の時代から、今はそこに情報が加わったものが資源だと認識されています。また、企業や自治体も、投資家や市民から情報開示が求められ、積極的に保有する情報を公開しています。
さて、このように大切な情報の本質とは何でしょうか。冒頭引用した用語の英単語を見れば、情報とはインフォメーション(Information)を指すようです。ですから、情報公開された数値や過去の実績など見れば、大体その企業の業績、自治体の状態が分かります。
様々な規制に守られ、安全な投資だけで将来も含めた生活設計が出来ていた時代は、この程度の情報を得ているだけで良かったのかもしれません。
しかし自己責任の時代です。自分で情報を探り、その意味を解釈していく必要に迫られています。自分に必要な本当の情報を引き出し、その情報が持つ意味を理解しどう使うかによって、自分、資産、業績などが大きく違ってきます。
私たちは、必要な情報開示を迫るのであれば、有効なものを求めるべきです。情報とは何か、認知された定義はありません。一般的に情報とは「素材としてのデータ」「データが加工されて何にかの状況で役立つようになったもの」を指します。
情報とは、現場の状況や、動いて変化している状態にあるものを取り込み、文字化などを施して加工したものです。つまり、生きている事象を文字に変換したものに過ぎないのです。言わば、過去の記録にすぎず、今後、役に立つかどうか分からないものです。
情報だけで判断することは危ない、現場を見ないと駄目だという根拠はここにあります。情報保持者に対して情報公開を求めることは必要ですが、単に数値の列記や経緯を示してくれるだけでは価値はないと知るべきです。
情報公開とは、役立つ情報を公開することです。私たちが使えるような役立つ情報とはインテリジェンス(Intelligence)です。これは、データを体系的に仕上げ、責任者達の知識を付加したもので、これが役立つ情報です。
ですから情報公開とは、過去の統計や数値、財務諸表だけではなく、その統計をどう評価しているか、目指すべき町づくりは、展望を持った財政再建策について、知識、判断を加えた情報として公開するべきです。
|