和歌山市内で放送をしているコミュニティエフエム局のバナナエフエム。偶然聴いた番組から素敵な話が聴こえてきました。それはタイプの違った4人の先生についての話です。
普通の先生は、生徒に教えることをします。先生は教えることが仕事ですが、ただ話すだけでは普通、または駄目な先生ということになります。
良い先生の場合は生徒に説明します。分かり易いように説明をする、分からない箇所は丁寧に説明をする、それが良い先生なのです。元の単語は「explain」です。
優れた先生の場合はもっと違います。先生が自らやってみせるのです。説明するだけでなくて実践することで記憶に定着しますし、実践は説明よりも分かり易いのです。やってみせるは「demonstration」から来ているものです。本来の単語の意味は「明示すること、論証すること、実物に即して示すこと」ですが、やってみせることが先生の役割だと説明しています。
そして4人目の先生である偉大な先生は心に火をつけます。生徒の心に火をつけてくれる先生が偉大な人なのです。この「心に火をつける」の元になっている単語は「inspire」です。
「inspire」とは「感激させる、鼓舞する」という言葉が当てはまりますが、意訳して心に火をつけるとしています。
これは先生の形を借りて、人生の先輩が後輩に向けての接し方を説明しているものだと思います。人はある程度の立場になると後輩を育成する責務が生じます。いつまでも自分だけの考え方の持ち主は、人としての魂のレベルが低いままです。
言うだけで実践を伴わないことなら誰でもできます。世の中には自分が参加しないで安全な場所にいて、言うだけの人が多いのです。ですから必要な行動や仕事が必要な理由の説明をしてくれる人はまだマシな方なのです。
3人目の先生である、やってみせてくれる人はとても少ないのです。自分で実践することは失敗を伴いう危険性がありますし、責任も発生するからです。人は極力安全で責任を取らないことを望むものです。何もない日々は身体が安全で心の平穏につながります。行動することは批判を浴びることもありますし、行動の意味を理解してもらえないこともあります。しかし世の中を動かせるのは、枠の中に納まって行動を起こそうとしない人ではなくて、それでも行動を起こしている人です。
そんな人の次のステージは周囲の人の心に火をつける人です。最初から人の心に火をつけられる人はいません。段階を追ってこの立場に立てるのです。最初は言葉にすることから始まり、自分が発した言葉の理由の説明ができるようになります。そして自ら行動する人になり、最後は自分の心に火を燃やし人の心にも火をつけられる人になるのです。
3人目と4人目になることは難しいことですが、社会から何かの役割を与えられて行動できない人では情けないですし、一人だけの行動ではなくて周囲の人も行動を起こせるように心に火をつけたいものです。今は生徒でも社会で学び続けると、優れた、そして偉大な先生になれるのです。偉大な先生とは明日の私達なのです。