コラム
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2012/3/8
994    生きたもの

素晴らしい経営者がいるものです。約2時間お話させてもらいましたが、充実した時間となりました。そしてこんな言葉を頂戴しました。

「今の時間は生きた時間となったので満足しています。人にとって何よりも大切な時間ですから、生きたものにしたいと常に思っています。少なくとも仕事の間の時間は生きた時間にしたいと考えていますし、明日につながる時間にしたいのです。明日につながるとは今日の仕事が明日の仕事に意味があるものにすることと、これからつきあいのできる人物に会えた時のことを言います」という言葉です。

経営者にとって仕事の時間は利益を生み出している時間です。利益を生まない動きはそのまま損失となりますし、利益を生み出さない人と会う時間や会話は重い意味を持つものとはなりません。主に仕事に活用できる時間帯、午前9時から午後6時までの9時間は黄金の時間なのです。黄金を生み出してくれる大切な時間は利益を生み出すために費やしたいと考えるのは当然のことです。但し利益とは、お金を生み出すこと、人と会うこと、社会貢献を行うことなどを指します。人、お金、社会貢献に資する時間が生きた時間となります。一日の中の限られた黄金9時間ですから、無駄に使いたくありません。

お金を生み出さなければならないのは次のような理由からです。会社を存続させることが社会の発展につながること。従業員さんとその家族の豊かな生活を守ること。利益を生み出さないことには本業以外で大切な社会貢献活動ができないこと。そして適正な利益を得て税金を支払うことが、世の中の役に立つこと、などが主な理由です。

この経営者は、先日、面談を約束した人の訪問を受けました。1時程度と思って対応したのですが、5時間も粘られたのです。お昼を挟んで5時間ですから、食事をとる時間もなくなりました。「人の大切な時間を無駄に使わせるのは罪である」と言うように、私達は生ある毎日を生きたものにしたいのです。何が何でも生きた時間にする覚悟を持って仕事をすること、生きたものになる人と会いたいのです。

上場企業の経営者と違って地方の会社の経営者とは簡単に会えるように思いますが、そうではないのです。経営者の皆さんの時間は貴重ですから、利益になる仕事や情報、そして人物に限って会いたいと思っているのです。四方山話や今日しなくても良い雑談に関わっている時間はないのです。

経営者の時間が貴重であるように、私達の時間も貴重なものなのです。利益を生み出す感覚はありませんからそう思わないのですが、是非とも明日につながる時間にすべきですし、会って良かったと思われる人になりたいものです。そして今が生きたものになっていると実感できる時間があります。充実した仕事になっている時、人と会っていて勉強になっている時、そして好きなことをしている時などです。

生きていても生きていると実感できないのは残念なことです。最高なのは、仕事をしている今や素敵な人と会って生きていると感じられることです。それが無理なら一日を振り返って「今日は生きていたなぁ」と感じられることです。