メジャーリーガーのダルビッシュ有投手が誕生しました。テキサス・レンジャーズに入団が決定したことは日本人として嬉しいものです。今では若くて才能のあるスポーツ選手が日本を離れて世界最高峰の舞台に挑戦する時代になりました。以前は看板選手がメジャーリーグに移籍することは日本のレベルを低下させる恐れがあると消極的な時代がありましたが、今ではファンも歓迎していて、日本の最高レベルの選手がメジャーリーグで活躍する姿を楽しみにするようになりました。私達の国の代表選手が世界で通用することを応援するようになりました。
今回、ダルビッシュ投手の挑戦を応援する声ばかりで、流石に批判を聞くことはありません。それは大きな才能が活躍することへの期待が大きいこと、日本では無敵の投手がどれだけメジャーで通用するのか見たいことなどがあります。
そしてもう一つの理由があると思います。それは、批判は格好悪いということです。自分には何の実績はないのに、メジャーに挑戦する選手を批判することは格好が悪いことだと分かるからです。批判は褒められる行為ではありませんが、仮に相手を評論しようとする場合は、自分がその分野で実績を残していることや、同じ舞台に立ったことがある場合に限られます。
つまり自分がリスクを背負って挑戦したことがない人が、リスクを覚悟して挑戦することを批判することはとても格好が悪いのです。今の日本でダルビッシュ有投手以上の投手はいませんから、その挑戦を批判することの出来る人はいないのです。
ところが自分の身近なところにいる相手を批判することは日常茶飯事です。立場が違うと、その人が知らないところでどれだけの行動をしているのか分からないものです。そのため自分と同じように思って批判する場合があります。
「あんな行動をしているようでは駄目だね」など相手を批判することがありますが、それはその相手を自分以下だと思っているからです。間違ってもダルビッシュ投手に対して「あんな投げ方をしていてはメジャーで通用しない」などの批判はしない筈です。プロで野球をしたことがない、メジャーリーグの経験がない人が言うべき台詞ではないからです。
ところが自分が経験したことのない領域であっても、身近な人に対しては簡単に批判をすることがあるのです。でも自分ができないことを相手に求めて、それができないからだとか、それをしないからと言って批判するのはとても格好の悪いことです。
自分がやった経験があれば、今から挑戦しようとしている人を指導してあげられること、自分がやったことがなければ、やろうとしている人を応援することが格好良いことなのです。相手を導くこと、応援することは格好良いことですが、批判することや悪口を言うことは格好悪いことなのです。
社会で経験を積み、ある程度の年齢になると格好の良い言動をとりたいものです。そのためには挑戦している人を褒め、頑張っている人を応援することです。応援、励まし、評価をすることは、とても格好が良いことなのです。格好の良い大人でいたいものです。