コラム
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2011/12/26
949    ChuriSta

和歌山市出身の佐野安佳里さんは東京を拠点に活動を行っています。平成23年現在、早いもので東京に拠点を移したから7年が経過しました。平成24年1月5日には新しい曲をリリースし、その才能が発揮されていることを嬉しく感じます。さてその佐野さんは現在、ChuriStaというペアで活動しています。メンバーはボーカルの佐野安佳里さんとギターの中村康太くんの二人です。二人のライブは上品でパワフル、そして親しみのあるライブを構成してくれています。

平成23年12月20日、和歌山市内でクリスマスライブを聴かせてもらいました。クリスマスの雰囲気の中に懐かしい響きを感じ、そしてオリジナル性の溢れる構成でした。ライブに備えて夕方からリハーサルを行ったのですが、康太くんは佐野さんのピアノの音とギターの音に微妙な違いを感じました。響きがおかしいと感じ、ピアノの向きを少し変化させました。

そうしたところピアノの音とギターの音が響きあうように変わったのです。佐野さんもその違いが分かりライブへと移ったのですが、お客さんにはその微妙な違いは分からなかったと思います。私も分かりませんでしたが、ここがプロの仕事だと感心しました。少しの変化にも妥協を許さないこと、そしてそれを解消するために変化を恐れない態度がプロなのです。

プロではないお客さんには違いは分からないとしても、お客さんは分からないから「この程度の演奏で良いだろう」と思っていると、その姿勢が染み付いてきます。やがて自分でも良い音が分からなくなりそうな気がします。自分が思っている音を出すことがプロだとしたら、小さなライブであっても大きな会場と同じような仕事をしなければならないのです。

若い二人ですが意識はプロであり、お客さんに最高の音を聴いてもらいたいと思う気持ちが強く現れています。この姿勢が和歌山市内のライブ会場に伝わり、お客さんの満足度は最高レベルに達しました。演奏を終えてもいつまでも会場を去らない光景がありました。こんな光景を見たのは初めてです。お客さんはChuriStaの二人と写真を撮り、買ったばかりのCDを会場で早速聞いている姿がありました。幸せな空気が会場に蔓延したことから、少しでも一緒に幸せを感じていたいと思っていたのです。幸せな空気というものがあります。その中にいると居心地が良いと感じる場所や人がいます。このライブも居心地の良い幸せな空間を作り出してくれました。

二人は大阪や京都、本拠地の東京や横浜でもライブを重ねていますが、主催者から招かれて、主催者指定の会場でライブをするのは今回が初めてでした。そのライブでお客さんを幸せな気持ちにしてくれました。柔らかくて温かい、そして幸せの温度を感じさせてくれるライブに出会いました。

若い二人がこれからの日本の音楽シーンに登場してくれることを期待しています。がんばれChuriSta。そんな応援ムードが広がった幸せな空間がありました。