コラム
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2011/12/21
947    手順

世の中の出来事は突然に訪れますし、その対処の方法に正解はありません。社会での出来事はテストと違って満点も正解もありませんし、結論に辿り着く方法は何通りもあります。方法は性格や対処のスピード、知識やこれまでの経験などによって違いますから、無限です。和歌山市内のコミュニティエフエム放送において参議院議員の世耕議員は、国会委員会質問での大臣の追求方法に関して10通りの方法を頭に描いて様々な角度から攻めていると話しているのを聞きました。委員会質問に関しても、相手を追求する手順はいくつもあるのです。ただし質問内容によって求めている回答を導くこともできますし、逃げ切れられることもあります。事前準備と攻め方によって結論は違ってくるのです。

さて経験豊かなOさんは、まず着地点をどこに求めるかを決めてから相手と交渉に入る、または戦略を考えるべきだと教えてくれました。何か問題が発生した場合、とりあえず話を進めてみるのは危険です。可能な限り今の状況とそれに至る経緯を調査し、加えて相手のことを知った上で解決に向けての手順を考えること。そして話し合った結果から、どこが解決に向けての落とし所かを推測し、その落とし所が自分にとって納得できるものであれば、そこに向けての解決方法を探ります。落とし所を持たないで交渉に入ると、到達地点がどこになるか分かりません。到達地点が分からないまま交渉を進めると、不利な結果が待っています。

自分が納得できる結論を決めてから、そこに向かって相手と交渉を行うことが鉄則です。

ところが難しいのは規程や基準がない場合です。会社の仕事の場合は、交渉に際しての根拠となる法律や会社規則などがありますから、それに沿ってある程度、解決方法が決まります。担当レベルによって異なりますが、裁量と解釈が法律などに抵触しない程度に少し幅を持たせて解決方針を決められます。その範囲で収まれば問題はありませんし、専門部門がある場合は、交渉の状況によって軌道修正が図れますから、比較的楽に進みます。

ところが個業の場合、または自分が決定すべき立場にある場合は、問題解決はとても辛い作業になります。議員の場合は人間関係が絡まっている場合や、明確な基準がない問題、或いは基準があるけれど弱者の立場を取るなら、地方自治体などの規定や通達の拡大解釈が必要な場合が多いのです。しかも同じような事例は少なくて、社会ではこんなに次々と問題が出てくるなぁと思うような案件が圧倒的に多いのです。

そして地方自治体との話し合いの場合、相手は行政のプロであり情報量は圧倒的に多く、類似事例を解決した経験を持っていますから、依頼者の置かれた状況と現場を知った上で、解決に向かう手順を確立させてからにすべきです。また明らかにこちらの立場での主張が弱く、思うような方向で解決が難しい場合があります。

このような事例においては、どこに到達地点を持っておくか分からない場合があります。

そんな時は良き相談相手が必要です。その仕事や基準を知らなくても良いのです。行動型で人生経験が豊富な人は、人と人の気持ちの問題として解決の手順を示唆してくれます。依頼者の気持ちが納得するところを到達地点に持っていくことか解決方法です。