コラム
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2011/10/14
905    感謝の葉書

心あるお店に必要なものはお客さんからの感謝の葉書やメッセージです。例えば、お客さんから感謝の葉書をいただき、それを店内に貼り付けているお店があります。待ち時間に壁を眺めそれらの葉書を読むことがありますが、それぞれの気持ちが現れていて、感謝の葉書を読んでいると、そのお店のファンになります。

ある自動車販売店では、お客さんからの感謝のメッセージをお客さんの了解をもらった上で貼り付けています。車を買って、初めて自家用車となる車と出会った家族の最初の笑顔の写真と喜びのメッセージは、読む人の気持ちを幸せにします。大きな買い物である車を購入する家族は、これから何年も付き合うことになる自家用車との出会いの時の気持ちを素直な表情で喜びを伝えています。お客さんの心に響くことがお店からのサービスなのです。サービスの結果、お客さんから感謝の気持ちが届くとお店は最高に嬉しいものですし、サービスの報酬として無形の宝物を入手したことになります。

ではお客さんから感謝の葉書をいただくためには何をすれば良いのでしょうか。勿論、質の高いサービスの提供やアフターサービスの実施は当然のことですが、それだけではお客さんから葉書が寄せられることはありません。ではもっともっと質の高い個別のサービスをすべきでしょうが、予算や人員配置などの面から限界があります。

それでもお客さんから感謝の葉書が寄せられているお店がありますが、そこには秘密があります。お客さんから感謝の葉書をいただく方法。それはお店からお客差に対して感謝の葉書を書くことです。感謝の気持ちは相手から伝えてもらうのではなくて、まず自分から伝えることが基本です。「こちらがサービスをさしあげたのに感謝の葉書も送ってこない」と考えるのは間違いです。買ってもらったこと、飲食店だったらお客さんの記念日に来店して食事をしてもらったことの感謝の気持ちを、お店からお客さんに先に伝えることが肝心なのです。

自分がして欲しいことは、相手もして欲しいことである場合が多いのです。自分が相手から感謝の葉書が欲しいと思ったら、自分から相手に対して感謝の葉書を書くことです。

そうするとお礼として感謝の葉書が届きます。届くといっても100人に出して返事が来るのは5人程度だと思います。でも100人に葉書を出して5人から返事が来るとしたら、1,000人に出すと50人から感謝の葉書が届くことになります。お店に50人からの感謝の葉書が飾られていたとしたら、そのお店は多くの人から感謝されるサービスを提供しているお店だと来た人から評価されます。

感謝されるお店には同じような気持ちを持ったお客さんが集まってきます。

最初の種は誰かが蒔いてくれるのを期待するのではなくて、自分が蒔くべきです。自分がして欲しいことは先ず自分が相手に施すこと。それが行動の基本です。

お店を感謝の言葉で埋め尽くそうとしたら、それだけの感謝の気持ちをお客さんに伝えること。感謝の葉書をもらうことは自分から行動すれば簡単であり、自分が行動しなければ難しいことです。