コラム
コラム
2011/10/13
904    健康

長く飲食店を経営していたUさん。若い人に腎臓機能が低下したため、透析治療を続けています。現在も一週間に三日通院していますし、一回当たりの治療時間は約4時間と聞きました。つまり各日に透析治療を行っていて、一回の透析時間が4時間ですから、多くの時間が透析のために拘束されています。また旅行に行く自由も少なく、一泊程度の国内旅行は可能ですが外国旅行は困難だといえます。

そんなUさんと話をしていると、健康で働けることに感謝したくなりました。健康とは、健康のことを考えないでも良い状態をいいます。健康のことを考えない状態とは、健全な身体と健全な精神を保っているということです。精神とは脆いもので、健康不安があると忽ち心は不安で満たされます。心が不安になると身体に影響を及ぼしますから、健康な身体であってもそうではないような気になります。

さてUさんはそれでも、仕事ができることに感謝して働いています。「週に3回の透析ですが、それだけで健康でいられるのであれば嬉しいことです」と前向きです。そして平成23年11月には外国旅行にも挑戦します。行き先は中国ですが、関西空港の出発は土曜日の午後に設定しています。土曜日の午前中に透析治療を行い、同日の午後に出発、火曜日の朝に中国を出発して、正午過ぎに関西空港に到着します。そのまま病院に向かい透析治療を行うことになっています。

一週間に三回の透析は各日が原則ですが、週に三回透析をすれば大丈夫だと言われたため、ギリギリの選択をして、中国に行くことにしたのです。人生は一度きり、今まで行けなかった外国旅行を楽しみたいと考え、医師の許可をもらって知人と行くことになったのです。

知人も数年前に癌治療を行い、病気を克服しています。病気に負けないこと、病気を必要以上に気にしないことが大切です。病気を気にしていると外国旅行には気が向かいません。限られた人生においてそれは勿体ないことです。

動ける身体と精神力を持っているのであれば自由に生きること、それが人生です。飲食店を経営していた現役時代にできなかった外国旅行という経験をできる時にしようとすること。それは挑戦であり、今まで経験していないことを体験できる楽しみでもあります。

またそんな前向きな気持ちになることで透析の時間も意味のあるものにしています。それは仕事を離れ、自分と向き合う時間を確保できたことです。各日に4時間、仕事から離れ、携帯電話からも離れ何もしない時間を持つことができています。読書の時間、自分を振り返る時間、これからのことを考える時間、そして娯楽を楽しむ時間として活用しています。苦しい時間と捉えるか、自分を見つめる時間と捉えるかによって、その時間の持つ意味は変わってきます。

Uさんから健康の大切さを学びました。健康でいられることは感謝すべきことですし、健康でいられるから仕事も旅行もできることを再認識しました。一日初めは健康に感謝することか始める。健康を意識しない健康でいられること。それが神様からの贈り物です。