コラム
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2011/9/5
882    何時、校長になるの

学校の先生でいつも周囲に不満を漏らしている人がいます。「この学校は教育に理解がない」、「あの先生には教育者としての熱意が感じられない」など、毎日のように不満があるようです。

毎回、聞かされている同僚の先生は、腹に据えかねて、「あなたは不満ばかり言っているけれど、何時になったら校長先生になるのですか」と言いました。それだけ不満があるのだったら校長先生になったら良いということ、そして今に満足していないのであれば、校長先生を目指しているのですかという質問なのです。つまり不満を言う前に自分の出来ることをしていれば、いずれ校長先生になれると思うので、その時に今話している不満を全て解決したら良いということを示唆したのです。

不満ばかりの先生はハッとして、不満ばかり言っていることが恥ずかしいことだと気づいたのです。不満を言っている時間があれば、自分がすべきことをして、出来る立場になって不満の元を解決すれば良いのです。校長先生になれば解決できるのであれば、それ目指せば良いし、校長先生にならなくても解決できる方法はあると思いますから、それならば不満を言う前に行動を起こせば良いのです。

社会には科学のように方程式通りの答えはありません。行動をして汗をかいても1プラス1がゼロになる場合もありますし、運が良ければ1プラス1が100になる場合もあるのです。言えることは、不満にはマイナスの作用があることです。不満は―1―1のような式を導きますから、マイナスの答えになってもプラスに転じることはないのです。良くてゼロに戻せるだけです。

不満は行動するという数字の頭にマイナスをつけるようなものですから、不満を口にすることは避けるべきです。前向きな言葉と行動はプラスの数字と同じですから、1プラス1が2にならなくても、プラスの数字が返されます。

もし不満が続くなら、−1−1−1とマイナスの数字がずっと続くことになります。決してその場所から前進できないのです。マイナスの方向に歩いていて校長先生を目指すことは到底不可能です。

不満を止めることに気づくと、−1−1−1+1というように、気づいた時から心の数字はプラスに転じます。プラスに転じるのに遅すぎることはありません。不満を言いたい気持ちが生じてもそれを抑えて、笑顔で不満に接しましょう。笑顔はプラスの言葉を生み出しますから、不満を打ち消してくれます。

決して相手から、「何時になったら校長先生になるのですか」指摘されないようにしたいものです。もしあなたが先生でなければ、「何時になったら社長になるのですか」、「何時になったら責任の取れる立場の人になるのですか」に置き換えて下さい。

不満を言っている時間があれば、まず解決のための行動に移りましょう。行動はプラス、不満はマイナスです。常にプラス、プラス、プラスと方程式を作っていきましょう。それが小さな数字であっても、プラスの数字が積み重なっていきます。