コラム
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2011/1/11
859  幸せな一日

美容室のKさんは中学校を卒業してから美容室で修行を続け、国家資格を取得。そして6年前に独立して現在に至っています。とても話のしやすい方で、「今が一番幸せです」と言い切ってくれました。笑顔が似合う姿から、そのことが感じ取れました。

しかしここに至るまでには困難がたくさんあったことを聞きました。腎臓の病気で、このままでは仕事どころか死ぬかも知れないと宣告を受けたこともあったそうです。絶望の渕から立ち直ったのは、友人の支援と素晴らしい先生に出会ったからです。治っても透析を続けなければならないと言われていたのですが、現在は健康体そのもので、数値も何もかも全く正常な状態になっています。完全治癒することは珍しいのですが、何ともありません。

そして現在は美容室の仕事を天職と思っていますし、他の気持ちはないのですが、20歳代の頃は他の仕事が良く見えて、色々な仕事に関わったそうです。しかし専門外の仕事が上手く行くことはなく失敗が続き、借金などで行き詰った時期もあったそうです。そんな時、美容師の仕事が自分の仕事だと気付き、全力を尽くしたのです。毎日、誰よりも最後まで仕事に従事し、やがて独立へとつながったのです。また独立するに際しては金融機関がお金を借りて開業したのですが、当初はお客さんが集まらなくて、「もう止めよう」と思ったことが度々ありました。そんな時、「迷わないで明るくしていると運は開ける」と導いてもらったお蔭でお客さんが増え、今は思い描いたとおりの経営をしています。

また若い女性が個人で金融機関か借り入れをするに際して、本来であれば借りられないところが、運が味方して借り入れられたことも聞きました。

このように自分の好きな仕事を自分で歩こうと決意した瞬間から、運命は好転していきました。運命は自分で切り拓くものですが、そこには人かの関わりは不可欠です。つまり道を示し、運を導いてくれる人が近くに存在していることが重要です。それが組み合わさって運命は拓けるのです。

彼女が幸せでいられる今日までの困難を列挙します。

腎臓病が回復しない、そして命が危ないと言われたこと。

事業に失敗して多額の借金を抱えたこと。

子どもがいるのに離婚したこと。

独立するに際して資金繰りができなかったこと。

開業した後もお客さんが来てくれなかったこと。

これらの凄まじい困難を乗り越えて幸せな現在があるのです。全て自分で乗り越えてきたことが誇りです。但し、運命は自分で乗り越えるものですが、そこには支援者と運氣を呼び寄せてくれる人の存在が不可欠なのです。彼女の前向きな性格がそれらを導いて、幸運を運ばせたのです。蒔いたとおりに花は咲く。美容室の鏡の横に色紙が飾られていました。運命を信じてから、今はその通りに進んでいます。

そして素晴らしいことは、困難から脱出することを支援してくれた人を、今も大切にしていることです。困難な時を助けてくれた恩人に砂を掛ける人がいますが、そんな人は大成しません。彼女は、今もその時の恩人に毎月一度は訪問して、感謝の気持ちを伝えているのです。この気持ちがある限り、いつまでも幸せが続くのは当然のことです。

この話を聞いて私も幸せになりました。