コラム
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2011/1/12
860  依頼を受ける

自分が上手く行かなかったことに対して、他人のせいにする人がいます。どこの業界でもいるようで対応に困っていることを知りました。人のせいにするのは、自分で出来ないことを、能力のある人や専門知識を持っている人に依頼することが多いのです。ところが人脈を持っていても、或いは専門知識を有していても、出来ないことがあります。何故なら、本来であれば出来ないことを依頼してくるからです。元々困難な案件を依頼しておいて、出来なければ、「あの人に頼んでも何も出来ない」、だとか「やり遂げる力がないので頼んでも無理」などと言って、他の人に言って回る人がいるのです。

ところがです。依頼して出来なかったことに対して不満を持ち、その人のせいにするのは間違いです。どんな時も、頼まれた人が悪い筈はないのです。依頼を受けた人は全力を尽くして良い結果を出そうと頑張っています。依頼した方は寝て待っているだけです。そして導かれた結果に対して、不満や文句を言うのは筋違いです。

それが仕事だとして対価を支払っていれば、その成果を求めるのは当然ですが、そうではなくて依頼をした結果責任をその人に負わせるのは間違いです。

繰り返しますが、頼まれて動いた人が悪いことは絶対にありません。

そのことを知っておかないと、不満を持つ人の一方的な噂話に踊らされてしまうと、自分も同類と看做されます。何故なら、依頼を受けて頑張っている人は、依頼を受けた人が悪い筈はないことを知っているからです。

噂話を聞いた時は、試しに「誰がそんなことを話しているの」と尋ねると良いのです。誰が話していたか答えることは出来ないと思います。もうひとつ信用すべきでないのは「みんな言っている」とうフレーズです。これも次のセリフで質問して、出所を相手に確かめましょう。「みんなって誰が言っているのですか」。大抵の場合、みんなというのは、世間の誰でもなく、その人が思っていることを述べているか、誰か一人が言っているのに過ぎません。

私たちはみんなと言う世間に弱いのです。「みんな言っている」という言葉に動揺することがありますが、特定の場合を除いて有名人でもない個人のことを、世間のみんなが言うことはありません。明らかに誰かを騙したり、信頼を失墜させたりした場合の噂で、相手が社会的立場のある人の意見は真実に基づくものですから、特定の場合となりますが、それ以外は信用する噂かどうかは、その話を誰が言っているのかを確かめましょう。

このように、自分に出来ないことを人に依頼して、その結果が芳しくなかった場合の不満から来る批判は聞くに堪えません。「○○に頼んだけれども、何もしてくれなかった」という話を聞いた場合は、それを言っている人に能力が足りないので、それ以上の能力のある人に案件を依頼したと思うべきです。依頼された人が悪いのではなくて、依頼される人は付き合いたい人物だと思ってよい位です。逆に依頼した人のことに関して不満を垂らす人との関係は、見直した方が良いかも知れません。

何故なら、あなたもその人から依頼を受けて、結果が上手くいかなかった場合は、同じように誰かに言われるのです。「あの人に頼んだけれども役に立たなかった」と。

でも心配は要りません。社会から信頼されているのは、常に依頼を受けている人なのですから。