コラム
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2011/1/7
858  クリスマス

平成22年のクリスマスイブは大変寒い夜でした。クリスマスを迎える前にTさんの子どもに「ケーキを渡すからね」約束していました。約束を果たすためにTさんにクリスマスケーキを届けようとしたのですが、Tさんはイブの夜も仕事で、お会いすることが困難でした。

私も仕事だったこともあり、お互い仕事をしながら自動車で移動しているため、携帯電話で今いる場所の連絡と確認を取り合いながら、やっと会えたのが午後の8時30分でした。待ち合わせた場所に車を止めて、屋外でクリスマスケーキを渡したのですが、寒い中、震えながらTさんの仕事の話も伺いました。

仕事で困難に直面しているTさんですが、私で出来ることは対応させてもらっているので、少しは折れそうな気持ちを支えられているのかなと思いました。そんなTさんの子どもにケーキを渡す予定でしたが、その後、クリスマスケーキはもっと素敵なドラマの待つ元へと贈られていたのでした。イブの翌日にTさんから連絡を受けた言葉です。

「昨晩は、お忙しい中ケーキをありがとうございました。お忙しく寒い中、片桐さんがお届け下さったケーキの事、多分一生忘れる事はないと思います。わかっていた事ですが、娘は帰って来ず、犬と猫と私だけのクリスマスイブでした。

片桐さんから頂戴したケーキを、ひとりで頂くのは、もったいなく、一緒にいたケアマネさんのお孫さん達にお譲りしました。彼女は遅い時間まで働いて下さり、お孫さん達へのお土産を買う時間もありませんでしたので、片桐さんに頂いたケーキは、本当に有り難かったです。ちびっこ達、大喜びだったそうです。

彼女も、片桐さんに直接お会いできて爽やかな良い方だと感心していました。母の会社の事では、御尽力頂きありがとうございます。心の荒む出来事の中、人の温かさに再度、感謝するクリスマスでもありました。私に出来る事は少ないですが、片桐さんの活躍のお手伝い、心からさせて頂きたいと思っています。ありがとうございました」。

Tさんと話したところ、ケアマネさんは仕事でケーキを買う時間もなく、寂しいクリスマスになるところを、Tさんにお渡ししたケーキが救ってくれたたようです。聖なる夜にドラマが生まれていたことを知り、とても感動しました。

一日、嫌なことがあったとしても、それ以上に良い出来事があるので人は頑張ることができます。私の場合は、一つの嫌な出来事を打ち消して余りある良い出来事が起きてくれます。今日のこの話は、一日を元気にしてくれ、今日も奇跡を起こさせてくれるのに十分な良い出来事でした。やはりクリスマスの夜は人の心に温かいのです。

2010年のクリスマスイブは、私にとっても、Tさんにとっても、そしてケアマネさんにとっても、忘れられない温かい奇跡を招いた日となりました。それぞれの頬に温かく伝うものがそれを証明してくれました。