コラム
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2022/7/29
1886    学習会での挨拶

令和4年7月、小学生を対象とした「すばらしい先輩・陸奥宗光外務大臣に学ぶ」学習会が開催されました。和歌山市内で毎年、開催しているもので、故郷の偉人である陸奥宗光伯の生き様を学んでもらう学習会です。この学習会の開会にあたって主催者を代表して挨拶をいたしました。

こんにちは。今日、「すばらしい先輩・陸奥宗光外務大臣に学ぶ」学習会に来ていただきありがとうございます。私達の和歌山県は素晴らしい先輩が誕生していますが、今日は幕末から明治時代を生きた陸奥宗光外務大臣のことを学習する機会にしてもらいたいと思います。

現代、ロシアがウクライナに侵攻しています。世界は大きな戦争になるかもしれない危機にありますが、アメリカやヨーロッパ、EUの加盟国は懸命に侵攻が拡大しないようにウクライナを支援しています。「日本は何しているのかな」と感じている方もいると思います。

今回、日本の支援はこのEUの国から受け入れられています。今回の日本の外交は評価されているのですが、なかなか伝わってきませんね。外国との交渉は国として、とても大事な行いですが、外交をするためには国の信用が必要ですから、普段からのつきあいが大事なことになります。日本はアメリカやヨーロッパから信用されている国になっているのは、総理大臣や外務大臣などを始め国際社会の中で重要な存在になっているからなんです。

今の外交は難しいけれど、陸奥宗光外務大臣の頃の外交は、今よりももっと難しかったと思います。明治新政府になってから日本は当時の列強諸国から不平等条約を結ばされていたため、対等な国とは見做されていなかったからです。外交は対等な国同士で話し合うものなので、対等な国ではなかった日本は外交でとても苦労をしていたのです。

不平等条約を解消して対等な国になることが近代国家になるため、対等な国になるために必要なことだったのです。その難しい交渉を成し遂げて、平等条約を締結したのが陸奥宗光さんなのです。この条約改正があったので日本は近代国家の仲間入りをして、それから発展し、現代もアメリカやヨーロッパの国々と対等な国として、ウクライナ支援の一員として支援が出来ているのです。

現代につながる功績を成し遂げた陸奥宗光さんは私達と同じ和歌山県の出身の偉人なのです。今日の学習会では、偉人の活躍した時代のこと、つまり時代背景や、陸奥宗光さんが何を思って行動したのかを伝えたいと思います。皆さんも知っている坂本龍馬は陸奥宗光の兄貴分として登場するので、同じ時代を生きて志を引き継いだ人であることを知っておいてください。

皆さんが偉人に学ぶとは「凄いなぁ」と思うことではありません。凄いことを成し遂げた人が和歌山県にいたことを知って「私にもできる」「この次は僕の番だ」と思って欲しいのです。偉人の功績を学ぶことで大事なことは「自分もやれる」と思うことにあります。

世界にはたくさんの国がありますから、日本だけで生きていくことは出来ません。みんなも世界の中の日本を意識して、故郷の偉人と同じように世界で活躍する人になってください。

保護者の皆さんにもお礼申し上げます。子どもさんに陸奥宗光外務大臣のことを学ぶ機会を与えてくれたことに感謝いたします。僕が子どものとき、陸奥宗光伯のことを学ぶ機会はありませんでした。大人になってからその功績を知ることになりました。故郷の偉人の生き様を知ることが遅くなったことは残念なことだと思っています。ですから今日、子どもさんと一緒に学習していただいて、大人にとっても有意義で楽しい学習になることを願っています。本日は参加していただきありがとうございます。