コラム
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2022/1/13
1868    営業の心得

企業で営業の仕事をしているベテランの方との話です。

営業の仕事は、キーマンから紹介を受けた相手と継続して信頼関係を築くことが大事なことです。継続した関係を作り出すことで仕事につながります。紹介されたけれどもその後、信頼関係を築けないことや仕事の受注までの過程をキーマンに任せる人がいます。

そして結果が出なければ「紹介してくれた人が悪かったのであの人の責任」と責任を転嫁する人がいるのも事実です。会社への報告は「紹介者が悪かった」「紹介してくれただけで何も動いてくれなかった」「あの人に頼んでも無駄だった」など、あちらこちらに言う人がいるのも事実です。結果として、好意で紹介してくれた人が悪者にされてしまうのです。

こんな営業パーソンとして恥ずかしい言動をとっている人をよく見かけます。営業は1のご恩を受けたら、最低限1.1にして返すことが基本ですし、それ以上の恩返しが当たり前のことです。そして成果を出すのは営業パーソン自身の仕事なので、紹介してくれた人に中押しを依頼することはありませんし、受注できなくても責任転嫁することもありません。

紹介してもらった後は本人の実力が試されるので、全ては自分の責任において仕事をします。そんな基本が分かっていない営業パーソンが多くなっているように聞きました。

営業の基本は受けたご恩はそれ以上のものにしてお返しすることと、結果責任はすべて自分であることです。これを忘れている営業の人が多いので残念です。

と話してくれたのです。

紹介者に責任転嫁することはよくある話です。「紹介してくれた後は全く動いてくれない」だとか「紹介しただけ」などの批判を聞きます。紹介してくれただけで有り難いことだと思いますが、そう感じていない人がいることは残念です。

このような「紹介した限りは最後まで手伝うのが当たり前」と考えるとんでもない営業パーソンがいますが、紹介者からすると、「どうしてあなたの仕事を、私が責任を持たされてやらないといけないのですか。紹介をするから、後はあなたの仕事でしょう」ということなのです。

受注できなければ紹介者の責任であり、受注できたら自分の手柄。信じられませんが、そんな人は大勢いるようです。そんな営業パーソンとの関係に二度目はありませんが、「あの人に紹介してもらったけれど駄目だった」「紹介者に力がなかったので頼まなければよかった」とあちらこちらに批判して周る人がいるのが厄介です。好意で紹介したのに責任転嫁された人が悪者になってしまうからです。

できた人間は人の批判をしないので、三流の人物から批判されるままになっていることが多く、加えて事実を知らない人は批判する人の言葉を信じてしまうことが多いのです。

人を批判する人は所詮、三流なので相手にすることはありませんが、批判や噂話は気持ちの良いものではありません。

営業のプロは紹介してくれたご恩に感謝をしてくれて、結果に関係なく受けたご恩以上の恩返しをしてくれます。このことから、つきあう人を選び、受けたご恩を後々まで感じてくれる人とのご縁を大切にしたいものです。

これは営業パーソンとの話ですが、人づきあいの基本でもあります。受けたご恩は最低1.1倍にしてお返しすること。人間関係において、良いことが増えていくことこそ恩返しです。