コラム
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2022/1/12
1867    二酸化炭素の見える化

二酸化炭素の濃度の話になりました。感染症対策の一つとして二酸化炭素センサーを設置する企業や店舗が増えたことにより、CO2の数値化が図れ「見える化」されてきています。では二酸化炭素の濃度基準は次の通りです。

  1. 建築物(全体)においては1000ppm以下(厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」)
  2. 教育施設においては1500ppm以下(文部科学省の「学校環境衛生基準」)

職場の二酸化炭素の濃度基準は決められているのです。

また室内で快適とされる二酸化炭素濃度は600ppmとされているので、できるならその基準を保ちたいところです。

ところが職場に複数人がいて話をしているだけで、二酸化炭素濃度が上昇していくことが数字で分かります。1000ppmから1500ppmを通過して2000ppmぐらいまでは簡単に上昇していきます。知らなければ何もしませんが、センサーを設置することによって数字で見ることできるので、行動に移すことが出来ます。

窓を開ける、換気をする、会話を中断するなどの行動につながります。職場での二酸化炭素濃度の基準を決めることと、見えないモノを数値化することによって人は行動を起こすのです。600ppmの数字が2000ppmまで上昇すれば、気持ちが落ち着かなくなっていくので、窓を開けて換気をしようとするなどの行為に及びます。

令和4年の冬は寒さが厳しいので社屋の暖房設備を起動させている、または職場に暖房機を設置して使っています。二酸化炭素センサーを設置した状態にして燃焼系の暖房機器を稼働させていると、忽ち、二酸化炭素濃度が上昇していくことが分かります。数値が上昇していくと「これは良くない」と思って暖房を止めようとするのです。当たり前ですが暖房を止めると濃度は下がっていきますから、気持ちの良い水準まで濃度が下がるのを待つことになります。

これが私達のやるべき地球環境問題への対応です。二酸化炭素濃度の数字を「見える化」することで意識が向きますから、二酸化炭素の発生を抑えようとする行動につながることになります。

省エネルギーをどれだけ叫んでも効果は見えてきませんが、二酸化炭素濃度を数値化することによって意識を持ち行動に移す人がいることは事実です。数値化してもやらない人もいますが、行動につなげる人が出てくるのは事実です。少数であっても意識して行動する人が増えていくことが地球環境問題への対応につながっていくのです。地味で目立たない活動ですが必要なことだと思います。

建物管理の会社の職場をお邪魔して二酸化炭素センサーの話を交わしたことで、周囲の皆さんへの意識づけが出来たと思っています。各人が実行するかどうかは分かりませんが、問題点に意識を向けて話し合うことは大切なことだと考えています。

もうひとつ大事なことは、知りたいことがあればその分野におけるプロに尋ねることです。建物管理の会社なので、エネルギーコストを管理して下げる対策をアドバイスするため、職場には二酸化炭素センサーを設置しています。また感染症対策にもつながるツールでもあり、最近は設置台数を増やしているのですが、プロの方と話をすることで知識が増えていきますし、やるべきことのヒントも得られます。インターネットや報道からの情報も大切ですが、直接、現場でプロの方の話を聞くこと、話し合うことは情報と共に知識と行動につながるヒントをもらえるのです。やはり現場に赴くことが大切だと感じた訪問時の話し合いです。

プロの方の話から学ぶことがあることを実感できました。そう考えると電力、エネルギー、ハイテク、人工衛星、再生可能エネルギー、統合型リゾート、そして学校教育などのプロの方の話を聞く機会があり、行動につなげられていることを有り難く思います。