コラム
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2020/12/8
1752    ぶらくり丁

和歌山市の中心市街地の活性化について意見をいただきました。かつて、和歌山市の中心地と言えば、ぶらくり丁でした。子どもの頃はこの場所に行くのが最大の楽しみでした。

昭和40年代初めはまだ自家用車のある家は少なく、路線バスに乗って向かったものです。自宅からバスの停留所まで歩いて、そこからバスに乗って中心地である「二丁目」に着くまでの間、ずっとワクワクしたものです。当時のぶらくり丁の人出は凄くて、子どもだと先が見通せない程の混雑ぶりでした。

商店街のお店を見るのも楽しかったのですが、やはり歩いた先にあった丸正百貨店が一番の楽しみでした。今思うとそれほど大きな百貨店ではなかったように思いますが、子ども時代は巨大なデパートに感じていました。

子どもですから「おもちゃ売り場」と屋上の「遊園地」と「レストラン」に、よく連れて行ってもらったものです。遊園地の乗り物とお子様ランチは行った時の定番で、今でも覚えているほどです。歩いておもちゃ屋さんなどに行って、食事をして、そして路線バスに乗って帰る。バス停に着く頃はもう夕方で、帰り道は幸せな気持ちになっている。そんな当たり前のような日が特別な一日でした。当時の路線バスはボンネットバスで、書いているだけで懐かしくなってきます。

和歌山市で暮らした人なら誰にでも思い出が詰まっている、そんな、ぶらくり丁と丸正百貨店にまつわる提言です。

中心市街地活性化についての意見です。言うまでもなく、ぶらくり丁は和歌山市の若者の街であり中心にある繁華街でした。

その要因には、先ず映画館があって、ゲームセンターがあって、本屋さんがあって、ファーストフードなど軽食屋さんがあってと、1日歩き回っても飽きないところでした。

しかし、現在では、これら全てネットで事足ります。ましてや、リモート時代の現在であればなおさらです。

またショッピングも、現在では郊外の大型スーパーやショッピングモールへ行くため訪れることはなくなりました。

じゃあどうしたらという話ですが。市場調査なしの感覚ですが、先ず一にも二にも人集めです。

和歌山のご当地アイドルグループ「ファンファン」の路上ライブを、平日の放課後、定期的に催しながら、テレビやラジオの公開収録、とりわけ市民参加型の番組を企画すること。また、和歌山市の芸人さんに出演して頂いて、街を盛り上げていくなどどうでしょうか。

もちろんライブハウスもありますけど、思いきって「中ぶらくり丁」のど真ん中でやるのは楽しいと思います。

あとはスポーツや、アニメのグッズショップを誘致するのもアイデアかと思います。

これだけ寂しくなってしまったら、一朝一夕にいきなり上手くいかなくても、そこは我慢してもらって、和歌山の芸能から始めてみることも案だと思います。

最初は寂しくても、評判が伝わっていくに連れて、次第に人も集まってくるのではないかと思います。

以上の意見、提案です。ぶらくり丁にかつての面影はなくなっていますが、今でも活性化のための意見をいただくのは、やはり心の中では「あの頃のぶらくり丁」の思い出があるからだと思います。賑わいを取り戻して欲しい。年代にもよりますが、本当はそう願っている人が多いように思います。当時とは街も人も全てが変わってしまっているけれど、心の中にはあの頃の賑わっている街があります。ぶらくり丁を再生させたいと思う人がいる限り、取り組むべき課題だと認識しています。