コラム
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2018/12/7
1739    自慢の母

実家にベトナムから帰国している弟と共に実家に宿泊し続けました。これだけ長い日数を実家で滞在したのは何十年ぶりのことでしょうか。母がいる間にこれぐらい泊まって一緒の時間を確保しておけば良かったと思っています。

さて今朝から弔問のお客さんがたくさん来てくれました。お母さんも喜んでくれていると思います。

長い年月、一緒にウォーキングをしていたYさん。「お母さんは凄い人でした。20年以上一緒に歩いたけれど、人の悪口は一切言わなかったですよ。人のいいところばかりを探す人で誰にでも好かれていました」と話してくれました。

そして「これはお母さんから預かっていた貯金です」と言って、500円玉入りの袋をいただきました。Yさんは「お母さんと私は毎月500円ずつ貯めていました。毎月500円ずつ貯めていくと、一年で6千円貯金できます。一万円ぐらい貯まったところで食事に行ったり、旅行に行ったりしていました。残り分は前回使ってから貯め始めたお金ですから受け取って下さい」とお金を受け取りました。

僕は「お母さんらしいなぁ」と微笑みながら涙が溢れていました。やっぱり母はお金を大切にする人で、毎月500円ずつ貯めることが大きなものになることを知っていたのです。

一年間で6千円貯金すること。このことを「凄い」と思える人でなければ優しさを持つことはできません。毎月500円ずつ貯めていた母のことを自慢に思います。

続いてIさんが訪ねてくれました。「お母さんには台風第21号の時、大変お世話になりました。私の事務所が長期間停電で困っていた時、お母さんに依頼したのです。お母さんは後の復旧作業の現場にも来てくれて、復旧できた後は二度も事務所を訪ねてくれていたのです。留守にしていたのでお礼を言っていませんでした。ありがとうございます」と話してくれました。母は見返りを求める人でもありませんし、お礼を言って欲しいと思う人でもありません。自分がやったことは決して人には言いませんでしたし、自慢もしませんでした。結果が伴えば誰がやっても関係ないという人でした。これも僕の母の自慢できるところです。

そしてNさんです。「お母さんは『感謝の集い』で大勢の人が来てくれた時、とても喜んでいましたよ。『こんなにたくさんの人に来てもらって幸せです』と感謝の言葉と共に少し安心したような表情をしていました。お母さんにとって片桐さんは自慢の息子だったと思います。だからお母さんは『自分が寝込んでしまったら息子にも応援してくれる人にも迷惑がかかるから。そうならないようにしたい』と言っていました」。

やっぱりここでも、自分のことよりも人に迷惑をかけることを嫌うお母さんです。人に迷惑をかけないお母さんはここでも自慢です。

今日、訪問してくれた皆さんから普段の母の姿を知らせてもらいました。誰に対しても優しくて変わりない姿を聞いて、自慢の母だと改めて思いました。自慢のお母さんに、「心からありがとう」。