コラム
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2018/6/1
1714    お客さんとの関係を築くために

伝説のカリスマ販売員の茂木久美子さんの講演を聞く機会がありました。山形新幹線「つばさ」の車内販売で一日50万円を超える売り上げを記録したのが茂木さんです。一日といってもこの新幹線乗車移動時間は3時間30分ですから、それだけの時間でコンビニ一日の売り上げと同じ販売額を記録したことになります。

講演ではその秘密の一端を紹介してくれました。

「カッコいい販売員になろう、カッコいい接客しよう」と目標を立てたこと。カッコいい制服を着ているのだから、それに似あう販売員になること。そして笑顔でお客さんと接する販売員になること目標に掲げたのです。

まだ販売員としての経験がない初期の目標は「カッコいい」ことを掲げたことが動機付けになりました。

お客さんとの出会いが販売員としてのあり方を考えさせてくれ、成長につながったこと。自分の商品を買ってくれたお客さんを覚えておくことが大切です。「一度買ってくれたお客さんは、二度目は買ってくれないだろう」と思っていたため、その車両に戻った時にお客さんの顔を見ていなかったのですが、その態度は失敗です。一度買ってくれたお客さんは、有り難いお客さんですから大事にする必要があります。

全ての場合に当てはまるものでありませんが、お客さんとの関係において、自分から話しかけることは大事なことです。コミュニケーションの基本は会話であり、会話のできる心理的な関係を築くことが大切です。ただ全てのお客さんに話しかけることはできませんから、全てのお客さんとコミュニケーションを図りたいという気持ちには蓋をしておくことです。

それを考え始めても答えはありませんから、無駄なことに時間を費やすことになります。

雑談はとても大事なこと。最初は売り上げを伸ばすためにはお客さんの会話の時間を短縮して、次のお客さんの席に向かうことを考えていました。だからお客さんが会話をしてきても先を急いでいたので生半可な会話だったのです。

でもお客さんが話しかけてくれることは、とても大事なことだと気づいたのです。話しかけやすい人、話してみたいというタイプの人がいます。お客さんが販売員と話してみたいと思ってくれることは、とても大事なことなのです。

例え長い時間を要するとしても、お客さんから話しかけてくれる機会は大事にすべきです。仕事以外の話をしてくれることは大事なことなので、お客さんの話を聴くことを大切にしなければなりません。雑談力こそお客さんとのコミュニケーションを図ることであり、現場の空気を変える力になります。雑談はお客さんとの心理的な距離を縮めてくれる力になるものです。

笑顔はとても大切ですが表情も大事です。笑顔はお客さんが話しやすいと思ってもらえるものですがそれだけでは足りません。表情力が必要となります。お客さんが何を求めているのか何を購入したいと思っているのかなど、相手の思っていることを感じるアンテナを高くする必要があります。相手のことを感じるアンテナが表情力なのです。お客さんがつらいと思っている時に、満面の笑顔を向けてもコミュニケーションにはなりません。相手の表情を読み取り、自分もそれに対応する表情で応えることが大事なことです。

相手とのコミュニケーションのとり方について学ぶことができました。雑談力と表情力を大事にすること。話しかけやすい雰囲気、話したいと思ってもらえる雰囲気を持つこと。まずは自分から話しかけること。そして服装や立場が似あうように、カッコいい自分を目標にすること。