コラム
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2018/5/8
1712    アルバイトから学ぶ

大学生がアルバイトをすることで分かることがあります。初めてアルバイトを経験している学生と話をして感じることがありました。

和歌山市内でアルバイトを始めた学生の時給は1時間あたり850円だと聞きました。話をしたこの日は午前3時間のアルバイト時間だったので、この日の収入は2,550円となります。初めてのアルバイトで収入を得たことで笑顔でした。そしてこの日はもっと大切なことに気付いてくれました。

その日の午後、映画を観に行きました。映画鑑賞代として大学生は1,500円でした。そこに館内用の飲み物を買うと、それが500円でした。映画を観ることで2,000円の支払いがあったのです。そして映画を観る前にお腹が空くといけないので夕食を食べたところ、その支払いは850円でした。

つまりこの日の午後の支出は2,850円となりました。日給は2,550円ですから、差し引きするとマイナス300円で赤字会計となったのです。たった3時間でしたが初めてのアルバイトは慣れないために疲れを感じていたのですが、せっかく働いて得たお金なのに映画鑑賞をすることで消えてしまいました。

学生は「仕事をしてお金を得るのは大変ですが、お金を使ってしまうのは一瞬です。1時間で850円を稼ぐことができましたが映画鑑賞だけで1,500円ですから、如何にお金を大切にしなければならないか分かりました。今までは親からもらった小遣いで好きな買い物をしていましたが、お金を稼ぐことの大変さを知らなかったので使っていました。でもお金を稼ぐことの大変さが分かったので、今まで以上にお金を大切にしなければならないと思っています」と話してくれました。

アルバイトをすることで大切なことを学んでくれました。お金を稼ぐのは難しいけれど使うのは簡単だということです。そして学生の場合、生活をするお金は親が出してくれていますが、それがどれだけ大変なことなのか気づいてくれたようです。尤も、親は子どものためにお金を使うことを「もったいない」とは思っていませんし感謝してもらおうとも思っていません。しかし子どもがそのことに気づくことは大切なことだと思います。

育ててくれている親への感謝の気持ちを持ち、お金を稼ぐことの大変さが分かり、お金の大切さを知るからです。

その後もお金に関する質疑を交わしました。

「将来、正社員になると給料だから生活は安定します。得られるお金は、例えば月に20万円を貰うとしましょう。でも月給の全てを使えるのではなくて税金や社会保険料を差し引きされるので使えるのは16万円ぐらいになると思います。そこに将来への備えとして貯金をしますから使える金額は更に限られてきます。しかも将来を考えて貯蓄計画を立てながら生活をしていくことになるのです。得たお金を全て使えると思っていたらいけません」と話をしました。

アルバイトは将来の自立した生活に備えた勉強になるものです。お金を稼ぐことの大変さが分かり、先輩から仕事の厳しさを教えられ、お客さんから叱られて頭を打って大切なことを学んでいきます。学生が大人になるための一歩を踏み出しました。嬉しいことです。