コラム
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2017/5/1
1687    信頼は継続

ある経営者から教えてもらったことです。

ビジネスで大切なことがあります。一度だけであれば勝負で勝つことはそれほど難しいことではありません。一度勝つだけで良ければ、経営者であれば容易いことなのです。一回限りの仕事であれば、「この勝負に勝つか負けるか」だけが目的となり、信頼や相手の気持ちや立場を気にする必要はありません。

勝ち負けを前提にする仕事や人間関係だけでは人として成長することはありません。人を批判することや騙すことを戦術として取る人は一度の勝負に勝てるかも知れませんが、人生という長い戦いの中において勝ち続けることはできないのです。

このように一度勝つことよりも大事なことがあります。それはお客さん、取引先、地域の皆さんから信頼を得ることです。信頼を得て仕事につなげることが一度の勝負で勝つことよりも大事なことなのです。そんな信頼はどうして得られるか分かりますか。信頼は継続することで得られるものです。人と人の関係を継続させることが信頼に発展していくものですから、信頼イコール継続になります。継続させることが信頼になるので、大事なことは継続する関係を築くことなのです。人と人との関係、会社と会社の関係、組織と組織の関係を継続させていくことが、勝ち残るために大事なことなのです。長期的視点では一度だけ勝つことよりも、ある瞬間、負けたとしても最終的に勝ち切る秘訣です。

信頼は継続から生まれるもので、継続している関係が、その場を勝つことよりも大事なことだと言うことです。

そんな人間関係を継続させるために必要なことがあります。継続させるために必要なことは相手への気配り、思いやり、その人のためにできることをすることです。相手のことを考えてつきあうことは簡単なことではありませんが、相手の立場を考えることや、相手の望んでいることをお手伝いすることで自分が成長できるのです。人間関係とは相手のことを思いやることであり、相手を思いやることが自分を成長させてくれることになります。

何故なら、相手のことを思いやるには言葉遣い、表現方法を考える必要があるからです。どうでも良い相手や一度限り会うだけの人との会話であれば、言葉遣いを考える必要もなく、気遣いも不要ですから、自分が相手のことを気にする必要性は少ないのです。

ところが大切な人との会話、人間関係を継続させようと思っている人との会話であれば、言葉を選ぶ必要があります。言葉遣いや表現方法を間違うとせっかくの関係が壊れることもあります。言葉遣いや言葉を選ぶことは言葉の力を鍛え、人との関係を強化する気配りを身に付けることになります。

信頼は継続から生まれるものであり、継続するには相手への配慮や気配りが必要です。そんな気配りは言葉遣いから始まるものなので実力が試されます。人との関係を築くための実力が欠けている場合は、つきあいたいと思う人との関係を継続させることはできませんし、出会いを信頼関係に発展させることも叶いません。

私達が社会で活動して成果を得られているのは応援してくれている多くの人達が地域や人との信頼関係を築いてくれているからです。先輩方が継続した仕事やつきあいをしてくれたお蔭で、後輩の私達がその信頼を得ながら活動ができていることに感謝したいと思います。