コラム
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2016/8/1
1654    入来祐作コーチ

プロ野球ソフトバンクの入来祐作コーチは元用具係だったことを知りました。用具係からプロ野球コーチに転身した入来祐作コーチの考え方は、私達も教えられることがたくさんあります。

ドラフト一位で巨人軍に入団し一軍で活躍し、その後、自由契約、そして裏方の経験を持つコーチは、プロの技術を教えるだけではなくて人として、プロとして大切なことを教えているようです。

練習を始めとする行動は、緊張感を持って全てのことに従事しなさい。出来ないと思っている人がいるかも知れないが、それを普通にやっている人がいるんだから。
→二軍や三軍の選手ができないと思っていることが、一軍の選手は練習で普通にやっています。練習でやっているから試合でできるのです。だから二軍や三軍の選手に、コーチはできないことではなく、やっている人がいること、やらなければ一軍に上がれないことを伝えているのです。できない選手がいる中でいるから難しいと思うのであって、やれる選手が一軍にいるのです。コーチは一軍経験と用具係経験から、一軍に行くためにすべきことを伝えています。
希望を持たせること。やろうと思うことが身体を動かすことになる。
→希望が体を動かせます。思わなければ体は動かないのであって、思うことで体が動くようになります。誰でも、気持ちが乗らなければ仕事が上手くいかなったことや、やる気が出なった経験を持っています。希望を持つことが体を動かす要因になることを知っておきたいものです。
引退した後も桑田真澄さんは輝いているんだよ。その桑田さんから「謙虚になりなさい。誠実に生きなさい」。そう言われました。現役でなくても輝いていられることを知りました。謙虚で誠実でいるためには、意味もなく頭を下げることです。とにかく頭を下げることです。
→素晴らしい経験を伝えるためには感謝の気持を持って、謙虚でいる必要があります。偉そうな人から話を聞いても心に残りませんが、実績があるのに謙虚で誠実な人が話をすると、話を聞こうと思ってもらえます。
同じことを伝えても、謙虚な人から聞く話は聞いてもらえます。聞いてもらえなければせっかくの経験を人に伝えることは出来ません。
自分の長所を伸ばすことよりも他の選手のことが気になるものです。しかし自分の歩幅は自分の歩幅でしかないのです。この投手に勝とうと思うのではなくて、自分のピッチングをしようと思うことです。
→人はライバル、同僚のことを気にします。しかし人のことを気にしても自分の長所は伸ばせません、人のことを気にすることなく自分の良いところを伸ばすようにしたいものです。
用具係の時に「ありがとう」と言われることは嬉しいことでした。しかし用具を準備しても何も言わない選手がいました。最初は「なんだ」と腹を立てましたが、怒っても自分が損をするだけなので。そんなことを気にしないようにしました。人がどんな態度を取っても、感情をぶつけることを止めました。
→人が何を言っても、自分ができることをすることが人のお役に立つことです。人に喜んでもらうことが真に嬉しいことなのです。何やお役に立ちたいと思うささやかな気持ちが、相手も自分も幸せを感じることだと思います。
そこで(一軍の試合に行って)力が出せないと言うことは、日々の練習が十分ではないと言うことです。
→二軍の投手が一軍で登板した時に緊張して実力が発揮できなかったのは、練習からくる自信がなかったからです。一軍の選手と同じ練習をやってきたという自信があれば、試合での悪い緊張は少なくて済みます。良い緊張感は必要ですが、体が縮こまるような緊張は不必要です。
野球選手でなくなった時に「もっとやっておけば良かった」と思わないようにして欲しい。
→どんな仕事でも同じことです。引退する時やその役割を終える時、後悔はしたくありません。やれる立場にいる時、やるべき時にやっておくこと。それが後悔をしないために必要なことです。