コラム
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2016/8/8
1655    輝いている人

第三回山西教室書道展(平成28年7月10日から7月17日まで開催)に作品を出展させてもらい、この作品に込めた思いを伝えました。

今回制作したのは「輝」という作品です。たった一文字ですが数か月の期間と枚数を費やして仕上げた作品なので、額に納められた誇らしいような「輝」いている作品だと思いました。制作した作品は完成して皆さんに観てもらうことで、一つの人格のようなものを持つことになると感じました。モノは名前を付けることで個を持つようになりますが、書道作品もタイトルを付けることで固有の輝きを放つようになるから不思議だと感じています。以下が「輝」について発表したコメントです。

山西先生の書道展で発表する機会を得るという幸運をいただき、作品紹介をさせてもらいます。まず山西先生には数多くの生徒さんがいますが、その末席においてもらっています。今回出展する作品は「輝」の一文字です。

これは「輝いている人」をイメージして書いた作品です。僕が思っている「輝いている人」について説明させてもらいます。一般的に、輝いている人とは芸能界のスターや活躍しているスポーツ選手など、脚光を浴びている人をイメージします。これらの人は自ら輝きを放っている人だと思います。そんな彼、彼女達のように自ら輝く人になることは難しいことだと思います

しかし輝いている人とは、自ら輝きを放てる人ばかりではありません。天上に輝く星たちは自ら光を放っている訳ではありませんが、夜空を明るく、そして綺麗で夢のあるものにしてくれています。そうです。星のような輝きを放つ人が「輝いている人」だと思うのです。私達は、そんな星の輝きのような人を目指したいと思います。

でも星のように輝く人になるのは自ら輝きを放つのと同じように難しいと思うかも知れません。そうではなくて、輝く人になるためには簡単な法則があります。

それは謙虚であること。誠実であることです。謙虚で誠実な人は、自分の立場を低くしているので周囲の人を輝かせてくれます。もう分かると思います。周囲の人を輝かせられる人こそ真に輝く人なのです。周囲の人を輝かせることができる人は輝きを持っている人ですから、周囲から見ると謙虚で誠実な人は輝いている人なのです。星が輝いて見えていることを星は知らないように、周囲の人を輝かせている人は自分で気付かないだけで、もう輝きを放っている人なのです。

作品「輝」で伝えたかったことは次の通りです。輝く人とは、謙虚な人であり誠実な人であること。謙虚で誠実な人が周囲の人を輝かせ、自らも輝いている人であることを伝えたかったのです。

今回作品展に出展できたのは、山西先生からお誘いをいただいたからです。今回の書は先生の指導に基づいて、ただ力強く書くことだけを意識しました。「輝」の作品を通じて、作品に込めた思いを伝えることができたことを嬉しく思っています。ありがとうございました。

以上が今回の作品展での発表内容です。一つの作品を仕上げてお客さんに観てもらうためには、作品に込めた思いが必要です。私達は周囲の人を輝かせられる「輝いている人」になりたいものです。輝いている人が増えると、周囲を輝かせている人は幸せになりますから。