コラム
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2016/2/26
1637    奇跡は起きる

奇跡のような出来事って本当に起きるものです。動きがあると奇跡は起きる、そんなことを思いました。平成28年2月、企業の面接に挑んだ大学4年生ですが、残念なことに不採用の連絡がきました。理由は「彼は営業職に向いていない。もし採用すればお客さんとの折衝、会社内への報告とその結果に対してのお客さんへの対応などで精神的に悩むことになると思う」という理由でした。

会社からの残念な通知を受けたので紹介者に連絡をしました。紹介者は「彼に対して氣が足りないと話しました。小さな声では氣が出ないし相手に伝わらない。もつと大きな声を氣と共に出さなければ社会で通用しないと伝えました。今の彼では営業は務まらないと思うこと、ここから這い上がることが試練だと伝えました」と話してくれました。

今春、大学を卒業する彼にとって就職先を見つけることが試練となったのです。僕は「営業職には向いていないと思うから、他の職種で適性のある会社があれば良いけれど」と内心、彼のことを気にしていました。というのも、彼はとても真面目で一直線を向いて走るような性格だと分かっていたからです。

そこで紹介者に対して「IT系の会社を数社紹介するので、彼の意向も確認して下さい。試練に立ち向かう覚悟があるなら、まだまだ就職を諦めないで下さい」と連絡をしました。

残念な結果の通知があってから5日後、携帯電話が鳴りました。面接をしてくれた会社の役員さんからから着信だったのです。電話に出て「その節はお世話になりました」お礼の言葉を伝えると、意外な答えが戻ってきたのです。

「片桐さんのホームページを社長が見ました。あの面接の時のアドバイスや社会人として必要な指摘をしっかりと書いてくれていました。そこで、彼のことを営業に不適格だと判断したのですが、片桐さんの言うように人を育てることも会社の責務だと思いました。もし彼にやる氣があり、営業職で頑張ってみるというのであれば内定を出しますので、試雇期間がありますが、彼に来てもらえませんか」という話だったからです。

大変驚くと共に、感謝の気持を言葉にしました。「ありがとうございます。彼にとっての試練だと思っていたのです、こんな形で試練をから立ち直る機会を与えてくたれことに感謝します。彼は真面目過ぎるので営業の仕事だと辛いこともあると思っていたのですが、これは大きなご縁です。ご縁は大切にしたいと思いますからこのことを彼に伝えます。試練に立ち向かう覚悟があるかどうか。営業を仕事にする氣があるかどうか。彼の意思を確認して返事をさせてもらいます。ありがとうございます」と、この役員さんに伝えました。

紹介者、そして彼と話をした結果、「試練に立ち向かいます。覚悟を決めて一所懸命に頑張ります」という意思を伝えてくれたので、お世話になることを会社に報告しました。

紹介者には「彼にとっての試練だという言葉を大事に思いました。この言葉が彼にチャンスを与えてくれたのだと思います」と話し、彼には「一度は死んだ身なので、このご縁に恩返しをする覚悟を持って下さい。氣を前面に出して声を大きく元気よくやれば大丈夫ですから」と話しました。

ホームページに「必要な人材」のことを書いたこと、社長が読んでくたれことから、このご縁がつながったとすれば、言葉で伝えることの大切さと言葉にすることで氣が動くことを感じました。結果を受けて「仕方ない」と持って何も記すことをしていなかったとしたら、このご縁はなかったと思います。試練の重さを僕も彼も感じていなかったとしたら、このご縁は生まれなかったと思います。真剣に話を聞いて、それが残念な結果になったとしても、そこから学ぶ姿勢を持つことが大切なことだったのです。

奇跡は大切なことを言葉にすること、動くこと、試練に立ち向かう覚悟を持つことなどから起こすことができるのです。奇跡は起きる。そこには伏線がある。奇跡が存在していることに感謝しています。