コラム
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2015/8/31
1606    一秒の言葉

「一秒の言葉を知っていますか」と尋ねられました。「一秒の言葉」を知らなかったので、聞いてみると、これまでたった二度だけ放送された「SEIKO」のテレビコマーシャルだそうです。この「一秒の言葉」は小泉吉宏さんの詩で、一秒を大切にすることを教えてくれます。この詩を紹介してくれた経営者の話を聞いて感動したので、以下にこの詩を紹介します。

「はじめまして」
 この1秒ほどの短い言葉に、一生のときめきを感じることがある。

「ありがとう」
 この1秒ほどの短い言葉に、人のやさしさを知ることがある。

「がんばって」
 この1秒ほどの短い言葉に、勇氣がよみがえってくることがある。

「おめでとう」
 この1秒ほどの短い言葉に、幸せにあふれることがある。

「ごめんなさい」
 この1秒ほどの短い言葉に、人の弱さを見ることがある。

「さようなら」
 この1秒ほどの短い言葉が、一生の別れになるときがある。

1秒に喜び、一秒に泣く。一所懸命、1秒。

以上が「一秒の言葉」の詩です。この経営者は、たった一秒が大切なことを、平成27年6月30日の閏秒の調整について説明してくれた後で、この詩を紹介してくれたのです。太陽の地球の自転の差を埋めるために、何年かに一度閏秒として調整していますし、差が大きくなってくると閏年として一日を調整しています。

たった一秒の中に時間を巡るドラマがあり、人にとっての感情のドラマがあります。日常は一秒を意識することはありませんが、私達はこの一秒の中に生きています。一秒がつながっている時間の中に生きているのです。

「この会では、日頃、真面目な話はしないのですが、今日はゲストの皆さんが来てくれるので真面目な話を紹介しました」と、この経営者は話してくれました。ゲストが来る時に何かを持って帰ってもらうことを考えてくれることは嬉しいことであり、こんな素敵なお土産をいただくからには、心を響かせる必要があります。人にお土産を持って帰ってもらうために考えてくれたものを聞き流しては申し訳ないことです。そして受け取ることで知らなかった知識を知ることになり、後に自分で意味を調べることで受け取ったお土産を自分のものにできます。

既に過去において、素晴らしい考え方や言葉が残されています。過去の人達が私達に残してくれたものを知り、そこから人としての生き方を学ぶことで、これからの誤りは少なくなります。自分が発見したかのように思う法則も、過去の人達が気付き、紹介してくれていることが多いのです。経験者から学ぶこと、過去から学ぶことは大切なのは、現代に通用するものが多いからです。伝えようとしてくれているものを受け取ることも、役割です。