コラム
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2015/7/8
1598    自分で扉を開ける

シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子さんの対談記事を読みました。(朝日新聞。平成27年6月27日。素顔のアスリート)シドニーオリンピックはもう15年も前の五輪だと知り、時の過ぎ行く早さに驚いています。当時の高橋選手のラストスパートの瞬間からゴールまでを今でも記憶しているように、あのマラソンはスポーツの素晴らしい瞬間の一つだと思います。

そんなシドニーオリンピックに挑んだ時の気持ちは私達に役立つものです。

『レース前は「自分から扉を開けてやる」ぐらいの勢いで、だめでもいいやぐらいのイメージでいた。』

自分の仕事は自分でやらなければ誰もやってくれません。ここにある扉を「自分で開けてやる」という気概を持って仕事に挑めるなら、その仕事で成果をあげることができます。

やって上手くいかなくても仕方ありませんが、やらないで現実が過ぎ去ってしまった状況を見るのは嫌なことです。今ここにある現実は自分で創り上げた現実でありたいものです。

現実はこれまでの自分の思いで創っているものなので、心で見て感じられます。現実は他人に支配されているものではありませんから、自分の意思で明日を変えることができるものです。

『多い時には一日80キロぐらい走っていた。練習は世界一やっていたと思う。この中で一番走ってきたのは私だ、っていう揺ぎない自信みたいなものが、自分を堂々とさせてくれた。』

練習を世界一やってきたという自信があれば恐れるものはありません。世界一を目指すには世界一の練習量が必要だと思います。自分の関っている分野で一番を目指すためには、誰よりもそれに時間を費やす必要があります。普段の仕事で誰かに負けているなら、結果で一番になることはできません。世界一は難しくても、この分野においては自分がこの中で一番やっていると思うぐらい、普段からそのことをやっておきたいものです。

『その日やるべきことを全てやって、何も後悔することがないっていう日を積み重ねられたら、試合でどういう結果になろうと、すごくすっきりしているの。例えば、腹筋千回って決めたら絶対にやる。歯磨き、洗顔、腹筋千回って、生活に組み込んでしまえば、負担じゃないよ。』

決めたらやる。自分か決めたことですからそれが、自分にとってそれが価値のある一番大事なことです。しかし決意しても続けることが難しいことを私達は知っています。続けられないのは習慣化していないから。習慣にしてしまうと、毎日それをやらない方が気持ち悪くなります。

食事や仕事をやるのと同じように、決意したことを習慣にしてしまうと負担ではなくなるというアドバイスは参考になります。やろうと決意したことを習慣にしてしまうこと。苦しいことを習慣にしてしまうこと。それによってこれまでの自分と違う自分の扉を開くことができるのです。高橋尚子さんは、「日常生活の中で、これは自分だけがやっているとものがあると楽になる」。そんな言葉で締め括っています。