コラム
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2014/12/12
1565    人格者

自分より目上の人は決して人の批判や悪口は言わないものです。そうでない立場の人が人の批判や悪口を言います。人の批判をするような人と同じような立場になってしまうと、自分もその位置にいることを証明するようなものです。

「そんな低いレベルに自分に落とし込むようなことをしてどうするのですか」という問いがありました。人は、批判をしている人の人相は悪いと感じ取ります。逆に正しいこと、美しいことを行動で心掛けている人は穏やかな表情をしています。年齢を重ねたお坊さんが穏やかで美しい表情をしているのは、人の心を感じ取り佛の道に即した正しいことを貫いてきたからだと思います。若い頃は同じような表情をしていた人が、心掛けや行動によって違った表情になっていきます。

できることは、自分より目上の人と付き合うことです。目上の人は人を褒めますし尊重してくれます。そしてどれだけの位置にいたとしても、目上の人と付き合うことが必要です。

目上の人と会うと自然に頭を下げることになります。頭を下げるという行為は自分を謙虚にさせてくれます。人にとって謙虚さを忘れないことが大切なことです。

そして自分が起こした行動は必ず自分に跳ね返ってきます。

ある会合の受付でトラブルがありました。その会を主催している先生はその場にいなかったため、Xさんは受付の女性に向かって好き放題なことを言いました。その後、Xさんはパーティ会場に入り、パーティの目的であった先生と会って懇談し、交流することが出来ました。Xさんは主催者の先生と親睦を深めて会場を後にしました。後日、二人で会うことを約束していたので、Xさんは仕事の話を切り出そうと思っていました。

ところが受付の女性は、先生の秘書の方たちだったのです。翌日、パーティの成功を喜んだ先生は秘書の労いを行いました。その場で秘書の方たちが、Xさんの受付での行為を先生に報告したのです。秘書からその報告を聞いた先生は、Xさんが人によって態度を変えることや、秘書に対する無礼なその態度に驚き激怒しました。

その翌日、先生はXさんに対して、「今回の仕事の話はなかったことにしたいと思います。ご縁がなかったということで」と断りの電話を入れたのです。人によって態度を変える人は、いずれそのことが世間にバレてしまいます。

もうひとつの事例があります。YさんはZさんと一緒に仕事をする日を楽しみにしていました。何故ならYさんはZさんの事務所で働くことが夢だったからです。しかしAさんがYさんのところを訪ねた時、Zさんの事務所の実情を話しました。それまで夢だと思っていたZさんの事務所が世間で言われているのと違い、その余りの酷さを知りショックを受けました。

YさんがZさんの事務所に勤務している友人に確認したところブラック的な要素があり、入社しても何人もの人が辞めていっていることを知りました。人を人と思わないブラック的な事務所であったことを知ったYさんは、夢だったZさんと一緒に仕事をするという選択を取り止めました。人を批判するような事務所は、やがて人材が集まらなくなるのです。人には親切に、そして尊敬される人になることが大切なことなのです。

批判や悪口を慎むことが人格を高めることにつながります。