コラム
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2014/12/10
1563    拍手の中

元シドニーオリンピック日本代表のマラソン金メダリストの高橋尚子さんに関る素敵な話を聞かせてもらいました。

ある時、テレビ局の人が高橋尚子さんに質問をしました。「どうしてこんなに苦しいマラソンを走っているのですか」という質問です。

高橋さんは「私が走る未来に拍手で待ってくれている人達がいるからです。それに向かって走ると拍手の花畑が広がるからです。今この場所でも、走り過ぎた場所でも拍手の花が咲いています。沿道のみんなが拍手になっていく。みんなが幸せだから走れるのです」という意味の答えをしたそうです。

自分と周囲のみんなが拍手の花畑を咲かせて、笑顔が広がる空間ができるなんで素敵な話です。自分の走る沿道が拍手でいっぱいになることが幸せだというのです。

これは政治でもビジネスでも同じことだと感じました。政治家は多くの皆さんと出会います。昨日会った人も今日会う人も、そして明日会う人も自分が関わった人はみんな笑顔になって欲しいのです。明日、私と出会うことを楽しみにして笑顔で待ってくれている人がいると思うだけで幸せな気持ちになります。今日、たくさんの笑顔に出会えたことも幸せですし、昨日、出会った皆さんの笑顔も素敵だったとしたら、笑顔に包まれていることになります。自分も幸せですし出会った人たちも笑顔でいられるなら幸せでいられるのです。

自分の歩く道に笑顔の花が咲いている光景ができるのです。これは政治でもビジネスでも、やろうと思う動機付けになります。

社会における難問や困難が待ち受けている政治家としての毎日は、心の持ち方によっては辛いものになりますが、明日笑顔で待ってくれている人がいる、そして今は悩んでいるとしても明日、私に会うことで笑顔になれる人がいると思うと、それはやりがいになります。政治家は人の幸せを創ることができますし、笑顔にさせる力を持っています。政治家の役割は、出会った人たちに笑顔の花を咲かせること、幸せを感じてもらうことにあります。

拍手で満ちた沿道を駆け抜ける高橋選手のように、社会の壁に跳ね返されている人達を笑顔にさせることが政治家の役割であり、やりがいなのです。接する人が拍手と笑顔になってくれるのであれば、それを幸せと感じることができます。

演説会で拍手をいただくこと、笑顔になってくれること、真剣に聞いてくれること、納得した表情になってくれること、そして演説の結果、自分の考えを肯定し行動を起こしてくれること。これらのことを幸せと感じられて、行動の動機付けになっているとすれば、高橋選手がマラソンを走る理由になっているのと同じように大切なことです。人に笑顔になってもらうことや、行動を促す動機付けとなることは政治家としての幸せです。

それにしても拍手をしてくれる中を走って拍手の中を通り過ぎることができるのは、幸せを感じられることだと思います。その拍手の理由が高橋選手を応援する拍手なのですから、応援する人の拍手と幸せを高橋選手が生み出していることになります。人の幸せを創れることは自分にとっての幸せであることは間違いありません。

笑顔があって、正しい行いをして、幸せの花を咲かせることができて、そのみっつが揃うことで人は幸せを感じられるのです。