コラム
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2014/11/18
1559    上司はお客さん

会社勤めをしていると嫌な思いをすることがあります。良くある話ですが、自分とタイプの合わない上司が居る場合が該当します。嫌な上司からの一言で気持ちが萎えることややる気をなくすことあります。上司の影響で仕事への意欲が削がれたり、一日を台無しにすることは自分にとってもったいないことです。上司のために大切な時間が憂鬱になったり、心が沈むことは避けたいところです。

そんな時のアドバイスです。嫌な上司をお客さんと思うことです。上司は自分よりも責任のある立場にいますから代表権がないとしても会社だと思ってみましょう。そうするとその上司は自分にお金を支払ってくれているお客さんだと思えるのです。嫌な人でもお客さんだと思うことで許すことができます。嫌なお客さんでも、お金を支払ってくれる限りはお客さんですからおもてなしの気持ちで接します。嫌な上司も自分にお金を支払ってくれるお客さんだと思うと腹が立つことを押さえられます。

飲食店で働いていて嫌なお客さんの対応をしている時。タクシーに乗務していて嫌なお客さんが乗車してきた時。窓口勤務で仕事をしている時にクレーマーが店頭に来た時。そんな時でも相手がお客さんですから、内心は違うところにあったとしても丁寧に対応するはずです。丁寧に対応することで相手は納得してくれることがあります。腹が立つからと言って、相手に同じように腹立たしいと思われるようでは自分も同じレベルの住人に過ぎません。

相手が低いレベルの住人であると思うなら、自分は違うレベルの住人を目指すべきです。同じレベルの場所にいるから腹が立つのであって、自分は働いている人であり、相手はお客さんだと思うと腹立つことを少しは緩和されます。

品質管理の用語で「後工程はお客様」という言葉があります。仕事は一人で成り立っているものではないので、自分の後の工程の仕事をしている人の仕事をやりやすいように自分の仕事を工夫することを意味しています。自分の仕事のスピードを早めることで、後の工程を担当している人の仕事が楽になります。自分の仕事の品質を少し高めることで、後の工程の仕事の品質管理が楽になります。自分のところでお客さんに良い気持ちになってもらうことで、後の工程の対応がやりやすくなります。

嫌な上司はお客さんのようなものです。自分の仕事の後工程を考えると、怒らせるよりも乗せておく方が自分の後工程が楽になります。自分の仕事をスムーズに行うためにはお客さんとの関係を大切にすべきですが、嫌な上司もお客さんだと思うことで関係が悪化している時よりも仕事はスムーズに行くことになります。

そこから飛躍して、自分の周囲にいる人は全てお客さんだと思うことで、「その人は私にお金を支払ってくれる存在」だと思えます。お金を支払ってくれる人に文句を言っても仕方ありません。お金を支払う人が買うか買わないかの選択権を持っているからです。会社の場合、代表権を持っている人が権限を持っています。代表者は責任のあるポストの管理職に対して専決権限を付与しています。大きな組織だと管理職に裁量を与えることで、仕事の全てを見なくても、判断しなくても良くなり、仕事の速度や専門職の視点でチェックをするので精度は高まります。管理職は代表者に対して責任を持って仕事を報告するのであって、その立場の人がいるから代表者からお金をもらえているのです。上司は有り難いお客さんです。