コラム
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2014/9/30
1537    経験から学ぶ

ホームページを見てくれている人が感想を伝えてくれました。「議員さんのホームページは当然ですが政治の話が多いのですが、片桐さんのホームページではコラムも書いてくれているので身近で読み易くなっていると思います。若い人向けのメッセージや哲学的なものがあり、人間的なものを感じます」という感想です。

議員としての活動を発信することと同じように議員活動を通じて皆さんから得たものを伝えることも大事だと考えています。議員活動の中で多くの方とお会いする機会がありますが、困ったことの相談や生き方に基づいた意見を聞かせてもらう中で気づきや学びがあります。人と会うことは相手のお役になるからですが、そこから気づきと学びをいただくことが多いのです。人と会うことで成長させてもらっていると感じることがあります。そんな成長の糧となっているものを残し、伝えることが公的な立場に置いてもらっている者の役割だと考えています。

人は経験を次の行動に活かしています。自分が経験したことを基にして次の行動へとつなげていますが、経験していないことに出合うとその次の行動を躊躇することがあります。そんな時に役立ってくれる物が他人からいただいた経験です。それはその人の言葉であり、その人のとった行動であり、困った問題を解決していく中で得られた知識などです。

困った依頼や相談を受けることは、その人からの学びであり経験を通じて自分の成長につながるものであり、年上の人からは相談の過程において人生経験を聞かせてもらえるので自分の成長につながっています。前向きに生きてきた人生経験で無駄なことはありません。

新しく事業を興した経験、事業を失敗して資産を失ってしまった経験、人に裏切られて傷ついた経験、借金を背負い懸命に頑張って返済した経験、外国に留学した経験などは聞いて役に立つことばかりです。起業した経験がなくても創業資金の融資の相談に関れるのは、これら他人の経験を受け取っているからです。外国語学習の必要性を理解しているのも、留学経験のある人から経験談を聞くことがあり、また外資系で働いている人の経験を聞いて世界の様子を少しだけですが理解しているからです。

他人の経験から学ばせてもらっていることが議員活動に活かすことができていますし、他人の経験を自分のモノにすることで、相談に来てくれる人のお役に立てるように使えているのです。自分が経験できる範囲は限られています。多くの場合、自分が関心のあることや仕事での関りがあることに限定されています。関心のないことを考えることや、それを見ようとすることはないからです。例えば、テニスに関心がない人は錦織選手が世界で活躍してもテニスを見ようとしないことや、パチンコに関心がない人にパチンコの話をしてもパチンコ台に座るという行動を起こさないようなものです。

関心のあること以外の知識と経験を持つことは人生の幅を広げることになります。テニスをしていなくても、テニスの経験のある人から錦織選手の技術や戦術を聞くことで知識を得て試合を楽しむことが出てきます。全米オープン準優勝の話題にも対応することができます。

他人の経験から学ぶということは、関心のないことや自分がこれからもやらないことを経験することができるのです。これまで得たものを発信することで、私の経験がコラムを読んでくれた人の経験になれば嬉しいことです。