コラム
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2014/9/1
1523    朝礼当番

朝礼に参加すると判ることがあります。朝礼当番を決めている場合、毎日違う人が朝礼の場において前に登場し一言挨拶をする機会があります。当番の人の気持ちや気概といったものが直接伝わってきます。それは挨拶の態度から伝わるものです。

皆さんに何かを伝えようと真剣に思っている人は朝礼ネタを用意していますから、その意図するところが分かります。また大きな声、ハキハキした言葉遣い、自分の意思を伝えようとする力は聞いていると確実に伝わってきます。

ネタは新聞ネタ、自分が過去に体験したこと、会社に関する情報などが主流ですが、会社に関係のないネタには個性が表れているので、興味深く聞いている人が多いように感じます。

また朝礼の良いところは、朝礼で挨拶をする時間は短いため原稿を用意しない点にあります。原稿がないので短くポイントだけを話すことになります。そのため事前に用意しているものを読むのではなくて、自分の言葉と態度で話をすることになります。人前で話をすることは慣れていないと意外と難しいことなので、短い挨拶でも何を話しているのか混乱することがあります。短い挨拶でも話のネタを繰り返し復唱して、朝礼に備えておく必要があります。自分の言葉で話そうとする必死さが聞く側に伝わってくると良い挨拶だと感じます。

自分の会社以外のネタ、自分の専門外のネタを話すことが新鮮で良いのです。会社関連や専門分野の話であれば、ネタを用意していなくても話をすることができますが、専門外のネタだと事前準備が必要となります。その少しの考える時間が、話すことの幅を広げるために良いのです。

沖縄興南高校硬式野球部の練習前の挨拶の話を聞いたことがあります。それによると野球以外のネタを話さなければならないようです。野球ネタであれば甲子園を目指す部員ですから、どんな話でもできると思います。しかし野球以外の話を高校生が人前で話をすることは簡単なことではありません。野球部員に新聞を読む習慣や、野球以外のことを考えることを勉強させるために当番制で挨拶をしているのだそうです。高校生ですが社会人として通用するための素地を形成している取り組みです。

社会人であれば会社以外の話を人前で話すことが求められます。取引先との交渉や営業に出た時の会話、社外人と懇談する機会などにおいて、必要なコミュニケーションが取れることはとても重要な能力です。

会社の話はできるけれどそれ以外の話になると知識や面白さが半減していたり、相手が話していることを理解できなければ会話が成り立ちません。さらに大切なことは自分の言葉で相手に言いたいことを伝える力です。それは知識、言葉使い、話す態度も重要な要素となりますが、それに加えて真剣に伝えようとしている姿が相手に分かるのです。

真剣に伝えようとする態度が相手に理解してもらえる最大の武器になります。真剣に伝えようと言葉を発すると、真剣さは相手に伝わります。

わずか5分程度の朝礼だとしても、当番の人が真剣に伝える力を持ってネタを話すなら、聞いている人に自分の思いは確実に伝わっています。人に自分の意思を伝えること、当番の話を聞いて理解するような朝礼には参加するだけでも学びになります。