コラム
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2014/9/2
1524    政治家こそ民意

ハーバード大学、コロンビア大学を卒業した方と話し合う機会がありました。両大学を卒業した人と話をする機会は、それほど多くないので新鮮な感覚がありました。ビジネススクール卒業ですが政治にも関心があり、考え方を話してくれました。

「私は公務員や官僚よりも政治家を信用しています。理由は簡単で、政治家は民意だからです。それに対して官僚は民意を反映したものではありません。民意を信頼するのは当然のことだと思います」という意見がありました。

民主主義国家において政治家は選挙の洗礼を受けますから、有権者の支持を得ることができなければ政治家にはなれません。有権者の支持とは民意の表れであり、政治家こそが民意だと言えます。

「選挙で選ばれた人の価値を信用することは当然です。もし民意で選ばれた人を信用できないのであれば、選んだ私達が悪かったということです。私達こそ民意を表す人なのですから、選挙で選ぶことは民意を表すものであることを知っている筈です」と続けてくれました。

「民意を信用しないで一体何を信用するのですか。自分が選んだ人の価値を信用できないのであれば悲しいことです。最近は政治家を悪く言う人が多いと思います。そんな人は選挙が民意であることを知らないのか、選挙に行かないで批判をしているのか、或いは政治家が日頃どれだけ大変な活動をしているのか知ろうとしていないかだと思います」。

この時、一緒にいた人が「行政の悪いところを政治家の前で言うのも気が引けますが」と何かを言おうとしました。

そうしたところこの人は、「それは間違いです。政治家は行政ではありません。行政が権力なので、その行政の仕事や行いをチェックするのが政治家です。権力者をチェックしてくれている存在だから信用できるのです」と話してくれました。

政治家は民意の表れであるのに対して、官僚は選挙で選ばれた人ではありません。行政職に就くための試験に合格していますが、それは行政機関に就職したということであり、民意を反映したものではありません。有権者の意見を聞いて政治的に話ができる場に持ち込んでくれるのが政治家です。官僚や公務員は、法律や通達に基づいた業務として処理をしていくだけです。

ですから行政は信用できるけれど政治家は信用できないと思うのは、有権者が正しい判断をしていないことになります。「民意を反映させた姿が政治家であり、私達の代表なのだからその活動を支援し、権力に立ち向かっている政治家を後押しすることが大事なことだと思います。民意で選ばれた政治家の悪口を言うことや信用できないと思うことは、自分の悪口を言うようなものであり、自分も政治家と同じように信用できない人物だと言っているようなものです。政治家を支援しないでいて、誰が私達の代表として権力と戦ってくれるのですか」という意見です。

官僚や公務員は、行政という権力に所属している立場です。政治家は行政という権力をチェックし、権力行使の行き過ぎや乱用に歯止めを掛ける存在です。「権力は腐敗します。民意はその都度反映することができます。どちらを信用すべきか明らかです」。政治家こそ民意だということを覚えていて欲しいと思います。