コラム
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2014/8/6
1513    スナーダイクマエ孤児院

スナーダイクマエ孤児院絵画展を主催しているメアス博子さん。メアス博子さんはカンボジアでこの孤児院を運営しています。メアスさんの絵画展を支援しているのがNPO法人青少年国際福祉教育協会で、そのご縁もあり絵画展会場で行われたトークショーに参加しました。トークショーでは、メアス博子さんと岩崎順子さんの二人が話し合ってくれました。

メアスさんは子ども達に教育や道徳的なしつけを行っていますが、その指導の基礎になっているのが、メアスさんがお母さんから教えてもらったことだそうです。お母さんからの教えがそのままメアスさんが行っている子ども達への指導になっていると聞きました。

お母さんから教えてもらったことをメアスさんが身に付けて、それを孤児院の子ども達に教えています。メアスさんが「いつか子ども達が親になった時、その子どもに私の教えが伝えられたら嬉しいことです」と話されたように、大切な教えが世代を超えて伝えられることは親、そして大人にとって幸せなことです。人の身体はやがて消え去ります。しかし子ども達に伝える大切なものは子ども達が生きる知恵として身に付けてくれるので、その教えが伝えられている限り教えは生きていることになります。

和歌山県海南市出身のメアスさんがカンボジアの地で孤児院を運営することになるとはお母さんは思いもしなかったことだと思います。しかしメアスさんの行動を天国から見守り、応援していると思います。

「メアスさんが子ども達に伝えている言葉は、天国からお母さんが伝えているように思います」とトークショーのパートナーである岩崎さんが話していました。お母さんがメアスさんに教えた言葉が世代を超え今も生きています。その教えが国を超えて、そして次の世代に伝えられています。親から子どもに伝えることは国に関係なく同じ価値観だと思います。

例えば、自分の行動には責任を持つこと。困っている人には親切にすること。社会で役立つ大人になること。誇りを持ち尊敬される人になることなどの日本人が持っている価値観は、カンボジアにおいても世界でも通用するものです。

日本人が大切にしている世界的な価値観をカンボジアの子ども達に伝えてくれているメアスさんは、国や世代を超えた活動をしていると言えます。

今でこそ輝いているスナーダイクマエ孤児院の子ども達の目ですが、設立当初は濁っていたと言います。当時の子ども達の価値観は、嘘をつくことや人を騙すこと、物を盗むことなどだったようです。そんな価値観での言動では目が輝くことはありません。他人から、社会から感謝される人が目を輝かせている人なのです。真面目で正直に生きること、人には親切に接すること、そしてモノは大切にすることなどの価値観を子ども達に教え続けていることで、孤児院の子ども達の目が輝き始めたのです。

これらのメアスさんの教えはお母さんから受け継いだものばかりだそうです。人の行動の基本になっているものは親から与えられたものです。親に愛情を持って育ててもらった人は他人に愛情を与えられます。親から正直で人には親切にすることを教えられた人は、嘘が横行している社会でも正直に生きられますし、他人に親切にすることができます。モノを大切にするように教えられた人は、自分のモノも他人のモノも大切にしますから盗みはしません。生きやすくて安心な社会を創るためには人の心と価値観を清く正しいものにすることです。